刀の物語
★★★☆☆
1996年にPHP研究所から出た『にっかり−名刀奇談』の改題・文庫化。
歴史上に知られる名刀を取り上げた8篇が納められている。
「にっかり」「すえひろがり」「竹俣」「かたくり」「このてがしわ」「伊達脛中」「石州大太刀」「まつがおか」である。
いずれも、刀の名前がタイトルになっており、詳しい人にはそれだけで分かるのかも知れない。
刀にまつわる史実や歴史書に沿って物語は展開していくが、東郷氏ならではのアレンジや工夫が加えられており、なかなか面白かった。けっして荒唐無稽に走らず、玄人好みの作品になっている。
しかし、なぜか魅力が感じられない。本当に不思議だ。