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誰か―Somebody (文春文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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サスペンスではない文学作品 ★★★★☆
サスペンスファンには申し訳ないけれど、謎解きを楽しむ作品ではありません。
事件を通じて最も傷ついたのは「誰」かという、ある意味凡庸なサスペンス以上の
残酷な結末が用意されています。
地味だけど心に残る ★★★★☆
特に奇抜な登場人物が出てくるわけでもない。
特に奇抜な事件が起きるわけでもない。
でも、じっくりと、じんわりと、淡々と読ませる作品だと思います。
平凡な事柄を、文章で読ませる。
こういう作家が、最近減ったなぁと思わされたりもします。

ただ、不倫(浮気?)をしている二人が
不倫をテーマにした歌を共に着メロにしてる…
という下りは、どうも安っぽい。というか、ダサい。
他がいいだけに、そのエピソードだけ悪目立ちしています。
その分を1点引きました。
誰が? ★★★★☆
ラスト、を、読んでいるだけでもう胸が苦しい
逃げたかった何度も途中で読むのを止めようと思った
人間は必要に迫られれば何でもやる
問題はそれを背負っていけるかどうかだ
この言葉が頭から離れません
決してハッピーエンドではないし、これでよかったのかどうか、私には分かりません
誰か、判断できる人がいるんですか
誰か
初めての宮部作品を堪能 ★★★★☆
著名な作家の代表作を読もうと思い、友人に勧められて読んだのがきっかけ。
飛ばし飛ばしで読んで1ヶ月くらいかかってしまった。
165ページくらいまで、泣かず飛ばずといった感じで、正直引き込まれなかったが
徐々に引き込まれていった。最後の100ページくらいになると、本音を言うと、「面白い」と感じた。
人間描写がうまいし、情景描写も比喩を使い巧みだ。
何より、しっかり構成して作り出した作品という感じがして、読み応えがある。
最後の寄せ書きにも書かれていたが、ミステリーが読み進めるうちに、深まっていくところにこの作品の魅力があるように
感じた。また、秘密をもちながら生きるという人間のある種の暗い側面を題材にしていたり、杉村夫妻と桃子ちゃんを引き合いに出し合いながら
暗い側面ではなく、明るい側面も人間は持ち合わせていて、つまるところ、やはり「前を向いて生きていこう」という元気の出るメッセージも
こめられているのだから、やはり見事な手法といえると思う。
正直、宮部作品はこれで終わりにしようかと思ったが、まだまだやめられない。火車と模倣犯と楽園くらいは読んでいこうと思う。
心に残った一節は以下のところ。
●402
わたしたちはみんなそうじゃないか? 自分で知っているだけでは足りない。だから、人は一人では生きていけない。
どうしようもないほどに、自分以外の誰かが必要なのだ。

●440
 法に触れこそしないものの、私はもっともっと凄いことを何度もやってきたよ。裏切りも企みも、駆け引きも暗闘も、収奪も秘匿も。
 人間はそういうものだ。必要に迫られれば何でもやるんんだ。義父はひとかけらの粉飾もなく、私にそう言っているのだ。問題は、
 それを背負っていかれるかどうかだけだ、と。
とっても退屈 ★☆☆☆☆
文庫本裏の概要を見て古本で買いましたが、読んでいくとまずテーマが弱いことに気づく、事の進行も弱い上に事件にゃ関係ない余分な夫婦の会話がしょっちゅうあったりして。それによって登場人物に存在感を持たせたかったのか、この小説の予定ページ枚数が決まっていてそれを埋めたかったのかわからないが、こんなに厚くしたのは逆効果。読み切るのが苦痛でしたが、以来、途中で合わないと思った本はその時点で読了しています。