1.七月の太陽
2.キラキラ（for Wild Flowers）
3. little mermaid
4.ホットミルク
5.Intro. 〜Whirlwind of the desert〜
6.砂漠の花
7.おくりもの
8.Calm Wave
9.Joyful World
10.しあわせになるために
11.シルキー・ショコラ・ラヴァーズ・ドリーミィ・タイム
12.Intro.〜Chant for Spirits〜
13.Dream Time
14.AMULET(lullaby)
冒頭の1、2から音に溢れているのは軽やかなリズム！そして光、熱と花の香り（旋律の華やぎ）です。それらブラジル音楽独特の高揚が当に野性の花が咲き乱れるが如く、アルバム主題である生命の躍動、生きるエネルギーを表していました。オレンジ・ペコーの作品中でも、ちょうど夏という生命力溢れた季節にぴったりのトロピカルな傑作です。

先ずは藤本一馬氏の心地よい音楽を作るセンスが光りますね。あらゆる音楽からアンビエントな要素を抽出し、それらを鮮やかに組み合わせてゆきます。今作はサンバ、ボッサなども顕著ですがゆったりとした時間を思わせる曲も多く、非常にバラエティ豊かです。9はジャズ色を強くしても作品の流れそのままという驚き。

そしてそこにアーシーな力を与えているのはVo.ナガシマトモコ。今作では特に藤本氏が咲かせた音の花にしっかりと魂をこめてゆく声の力が顕著です。一方でそのちょうどよい軽やかな声質が、花を振りまいてゆくようでもあり色彩豊かです。又それは彼女の詞からも感じられます。星や花、自然の要素がふんだんに散りばめられ、マティスかカンディンスキーのような鮮やかな彩りなのです。その中で背景も主人公も喜びや生きる実感をせいいっぱい咲かせています。特に名曲10は穏やかな曲調でも今作中で最も生きる力を描いた曲。作品の主題が凝縮されています。

因みに4は評判と寸分違わぬいい曲です。

２年ぶりの彼らの５作目。２作目以降ずっと今ひとつの印象だったのが「トロピカル」の不足であった事に気づきました。今回はジャケットデザインそのままの南国ムードが全開で、１作目に迫る好感度です。1,2,9曲目のキャッチーなメロディーは気合いが入っている証拠ですし、8曲目のレゲエもバラエティが広がっていて素晴らしいです。一馬さんは曲作りもギターもますます上手いですが、トモコさんのボーカルが、今回は丁寧に歌ってくれていますが、一部に素人でもわかるNGがあるのが疑問です。

待ってました!約2年振りのオリジナル・アルバム!前回の(オリジナル)『Grace』はしっとりした曲が大半を占めていて…個人的にはアップテンポでJAZZYな曲が好きなので今一つ物足りなさを感じていたのですが、今回の『Wild Flowers』は熱い曲も多数!まずジャケットのデザインが熱い!(笑)…季節は冬なのに初夏の雰囲気が満載で寒さ吹き飛びハートが温かくなる1枚です(o^-')b