コーチ・トゥエンティワンバージョンのコーチング入門書
★★★☆☆
コーチングとは、「ある人物が、ある特定のスキル、または知識を実地に適用するにあたってのパフォーマンスの向上、または進歩を支援するプロセス」のことで、定義は本書からの引用である。
本書は、コーチ・トゥエンティワン(以下 C21)という会社とそのグループが取扱い、普及させている「コーチング」に関する書籍である。
で、C21というのは、「日本初のプロフェッショナルビジネスコーチの養成機関」であり日本におけるコーチングの「本家本元」を自認しているようである。
僕自身、C21グループのコーチング研修を受けたことがあり、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションスキルとして、リーダーシップの発揮スキルとして、その有用性を十分認めるトコロである。
ではあるが、世間一般で用いられる「コーチング」なる単語は、かなり茫漠たる意味で使われていて、「ビジネスコーチング」に的を絞ったとしてもその定義は上記のようなものよりももっと曖昧であったり、別の定義があったりするようだ。
本書では「メンタリング」とコーチングは明確に区別しているが、必ずしもそうでない「コーチング」概念もあるようである。
ようするに本書はC21バージョンのコーチングを扱っているワケで、全てのコーチング概念をカバーしているものではないということだ。
だからダメ。ということではない。
明確な定義のもと、極めて論理的に、具体的に、実践的に展開されているC21のコーチング体系は、それ単体をもって十分な有用性を持っている。
C21版コーチングがどんなもので、どのようにして行なわれるのか?その理論やスキルは?といったところから、具体的なエクササイズまで、広くカバーしたのが本書である。
「コーチング」というモノに興味を持ち、実践してみたいという方であれば一読しておいて損のないのが、本書である。