ちょうど、9.11.があったころの記事。
時事評論だけでなく、中には彼の旅行記の部分もある。
今読むと、すごく納得できる時事評論だったりする。
あの当時では、理解できない批評だったかもしれないと思う部分も多いけど。
それはおそらく、藤原氏が様々なところを旅行し、アフガニスタンも取材していて、イスラム世界というものを肌で知っているからだと思う。
その感覚から、ブッシュのイラク戦争へ向けてのダッシュを冷ややかに見ている。
本の中で、彼は「ニュートラルな観点に立ってものを言いたいと思っている」(p196)という。
そのときの対象はヤドカリなのだが、本書全体を通じてもその通りだと思う。
「ニュートラル」なのである。
あらゆることを突き放して見ている、とも言えるが。
それはそれで貴重な視点だろう。
今の状態を、彼がどう思っているのか、HPを見てみようかと思わされた。