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現代精神医学原論

価格: ¥7,770
カテゴリ: 単行本
ブランド: みすず書房
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「精神医学」哲学「書」である 月照庵クリニック 鈴木康夫 ★★★★★
本年の大半はヤスペルス「精神病理学総論」3巻(岩波)とヤスパース「精神病理学原論」(みすず)とヤスパース全集「精神療法」を読んでいました.そのあと「世界観の心理学」に移ろうと思っていましたが,この「現代精神医学原論」を知り,早速購入しました.ヤスパースを再評価したナシア・ガミー先生の記述に賛同します.前4冊と比べて,全く読みやすく,村井先生の平易な訳に感謝します.
これは精神医学史であり,また哲学書でもあります.(科学哲学)ドイツ精神医学を中心にしてきた私への,アメリカ精神医学「哲学」への啓蒙書となりました.
特に生物学的精神医学の全盛の時代,行き過ぎた薬物療法に対してどのように考えたらいいのかを教えてくれました.さらに,bio-psycho-social approachへの批判には驚きました.
還元主義を批判したフランクルをさらに超えた視点(多元主義・統合主義)は今後の方向性を示しています.本年の最後にこの本を読めたことは,たいへんな収穫でした.
村井先生ありがとうございました.

(3回生などという表現が京都学派ですね.)
現代にヤスパースは復活するのか ★★★★★
アメリカの精神科医で精神薬理を専門にする研究者がヤスパースを推奨するとは・・。
DSM全盛のこの業界でも、とうとう現れるべきひとが、その中心地に現れたか、
またその本を訳すべきひとが訳したかと、感慨ひとしおです。
DSM自体に罪はない、それを開発した研究者集団がすでに開発の段階で、その悪用について警告していたのに、
事態はその警告された方向に進んでしまった。その経緯を明らかにするとともに、著者の唱道する多元主義的な
アプローチにもとづいて、本来の精神医学がとるべき道筋を模索、探求しています。

この数十年の精神医学の業績を背景に、新しいヤスパースの側面が照らし出されたという印象です。
建前でなく、実際の精神医学がどのような状況下(アメリカも日本も案外と共通している部分が多いことを教えられました)にあるかもよく描写されています。

京都大学の教授になったばかりで、著者と同年齢の訳者が多忙な時間を割いて、この浩瀚で複雑な書物を
訳してくれたことに感謝。

精神医学を目指すひとすべてに必読の書物であると信じます。凡百の精神医学解説書を何冊読むよりも、この
1冊をおすすめします。精神医学の現実が凝縮されています。
生物学的精神医学のひとがどれだけ読んでくれるでしょうか・・

内容が豊富なため、精神医学の初心者は、よくまとめられた訳者あとがきから読んだ方がよいでしょう。