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ハイドン (作曲家別名曲解説ライブラリー)

価格: ¥6,090
カテゴリ: 単行本
ブランド: 音楽之友社
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質・量ともに物足りない ★★★☆☆
日本語で書かれたものとしてはハイドンの作品全体を俯瞰できる唯一の本という意味で貴重だが、多数のCDで膨大なハイドンの音楽を聴けるようになった現在では、内容的には古さと物足りなさが目立つ。まず選曲。この分量で収めなければならない制約があるのは理解できるが、ミサ曲が後期の六大ミサしか収録されていないのはひどい。聖チェチリア・ミサや大小オルガン・ミサ、ニコライ・ミサは決して晩年に劣らない名曲ばかりだ。しかも後期ミサ曲にしても、「解説」とは名ばかりで、各部分の主題の譜面を並べるだけというひどい手抜き。ミサばかりではなく声楽曲についてはほとんど「解説」の体をなしていない。弦楽四重奏曲にしても、作品64は6曲全部収録しているのに、作品50と54,55からは「蛙」と「剃刀」しか取っていないのも、解説者の鑑識眼を疑わせる。交響曲も「校長先生」や「ラ・ロクスラーヌ」を入れるぐらいなら、13番とか52番とか54番とか67番とか、入れるべき名曲は他にたくさんあるはずだ。解説の内容にも執筆者によってむらがあり、しかもその多くは楽式をただ先入見に従って機械的になぞっているだけで、ハイドンの魅力をまったく語っていない。再現部が巧みに作り直されている部分など、平気で「型通りに再現」と書いて済ませている。ハイドンを愛する愛好家には実に物足りない内容だ。ディヴェルティメントが入っていないのもおかしいし、歌劇も「月の世界」はともかくとして「薬剤師」や「報いられたまこと」を入れるくらいなら「オルランド・パラディーノ」や「哲学者の魂」を入れるべきだろう。日本語でランドンの「ハイドン・クロニクル」やマルク・ヴィニャルの「ハイドン」のような書物は書かれることはないのだろうか。
没後200周年の記念の年に ★★★★☆
お高いので、かなり迷った。ただ、内容的にはそれだけのことはある。ハイドンは作品数が多く、作品全体を通して横断的に理解しようとしたら、このような本はどうしても必要になる。

本書は、その生涯をざっと振り返った後、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、鍵盤曲、歌劇、声楽曲といったジャンル別の解説がある。本書の真骨頂はこの部分。適時スコアを載せて、作品の特徴と構成についてコンパクトな解説を行っている。

作品リスト、略式年表などの付録も豊富。ハイドンは後世の多くの音楽家に与えた影響が大きいだけに、ハイドンが好きな人はもちろん、それほどではない人にとっても、鑑賞の際に読むことで作品への理解が一段深まるという点で参考になると思われる。