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小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥735
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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仮想空間をコンセプトにした短編集 ★★★★☆
本作は同一コンセプトの短篇を一冊にまとめたものです。
幾度と無く絶滅の危機を迎えた人類は、生き残るため様々な手段を用意する。地球を脱出し火星を新天地とするもの、大規模な仮想空間を新たな新天地とするもの、そしてどちらの選択もせず、地上で強く生きていくもの...本来はただの短篇の一つだったものが、長い年月をかけて同一コンセプトの短篇が描かれ、一冊にまとめられた時には、最初から計算された連作集のようになっている。物語が一つ増えるごとに世界は広がっていく、いや世界は変容していく、といったほうが良いかもしれない。こんな風に世界観が格調されるとは、おそらく作者自身考えていなかったんじゃないかと思います。
意識こそが人間なのか、記憶が人間なのか、肉体をもって人間とするのか、ならば人間は脳なのか内臓なのか...「人を人足らしめているものは何か、そして人はどこから来てどこへ行くのか?」は火星三部作で魂の在り方を訴えたように、作者のライフワークなのかもしれません。
肉体が滅んだ後も仮想空間で生き残り続ける意識というのは目新しい仕組みだなぁと思いました。間違いなくおもしろかったです。
マイベスト。 ★★★★★
この本は、今の所(2007年8月1日)自分内での神林長平作品のベストだと言えるものだ。

執筆時期が隔たっている為だろうか、作家・神林長平の幾つもの面が見える短編集だ。世界観の様なものはあるが、各短編はかなりバラバラな印象を受ける。だが、それが結果として他の作品にはない独特な空気を作っている。その初期から円熟期まで、幾つもの「神林長平」が燦然と輝いているようだ。一冊の本とは思えない程、内容が濃い。
いわゆるSFが苦手でも大丈夫。この作品集はハードSF的な読み難さは全く無く、しかし内容的には日本SFの到達点の一つである神林長平イズムを存分に堪能出来る。

SFか、神林長平か、短編小説か、この内の一つが好きな人なら、この本は誰にでもお勧め出来るだろう。ゆっくり味わって欲しい。
わかりにくかった ★★★☆☆
 仮想空間で死んだ人間の魂はどこへ行くのか、という煽り文句に惹かれて読んだ。しかし、問題提起の箇所もどういう解答を示しているのかもわからなかった。
 面白いは面白い短編集だが、神林長平の作品の半数を占める「私にはよくわからない作品」のリストに加えてしまった。
待望の文庫化 ★★★★★
本書は、2003年2月に同じ早川書房より上梓された短編集、四六判ハードカバー本の文庫化である。
文庫化に際して、新たな短篇や大きな加筆修正などは加えられていないようだ。
作者の神林長平は、短編よりも、どちらかといえば、連作長編や普通の長篇の印象の方が強いかもしれない。本書は連作ではないものの、全体になんとなく統一感のある、コンセプト・アルバムのような短編集。執筆順とは異なる配列や、書き下ろし作品「意識は蒸発する」が効いている。ある意味、もっとも神林らしい短編集といえるだろう。
ハードカバー版をお持ちでない神林長平ファンには、文句なしにお勧めできる。
ちなみに、解説は桜庭一樹。最近、ライトノベル以外にも進出している気鋭の作家だが、あちこちで神林ファンであることを公言している人だけに、熱く語っている。桜庭一樹ファンは、解説だけでも立ち読みでいいから目を通しておいた方がよいと思う。
決してリアルがいいわけじゃない。 ★★★★★
この小説を「リアルを良いもの」というテーゼで捉えてしまう人は読み方が浅すぎると言わざるを得ない。
(まさに流し読み程度の読解力しかないんだろう)
この連作の中で作者はリアルと虚構のメリットデメリットをきちんと
提示しその上で主人公はリアルを選んでいる。

大体神林の作品には猫と海賊のような人工知能が相棒として出てくるもの

も多いわけで......
神林一般で語るなら
魂の駆動体とか雪風とか読んでから物を言って欲しい。