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ソーラー・ウォーズ―激動する太陽電池ビジネスの全貌

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: エネルギーフォーラム
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誤植さえ少なければ・・・ ★★★☆☆
 太陽光発電といえば、かつては導入量も生産量も日本は世界一だった。しかし、補助金が減る日本に対し、固定価格買取制度(フィードインタリフ)を導入したドイツが導入量でこれを抜き、最近はスペインにも抜かれている。世界一を奪還すべく、昨年の洞爺湖サミットでは当時の福田首相が太陽光発電の導入促進をぶちあげ、政府は世界一奪還計画として補助金などを復活させた。一方、世界に目を向ければ、オバマ米大統領のグリーンニューディールをはじめ、再生可能エネルギーに対する期待は大きい。もっとも、ことはそう単純ではなく、世界的な景気の減速は再生可能エネルギーへの投資も減速させており、シャープを抜いたドイツのQセルズが赤字転落している。今後、太陽光の主戦場はヨーロッパから米国にシフトし、非シリコン系や薄膜型が台頭してくるかもしれない。
 およそ、こうした太陽光発電をめぐる世界の、制度・技術などの動向をまとめたのが、本書である。その中心となるのが、グリッド・パリティ、すなわち電気料金と競争可能な発電原価をどのように実現させていくのか、ということだ。そこにたどりついたメーカーが、この戦争に勝ち残ると言ってもいいだろう。
 山家氏は政府系金融機関出身らしく、冷静に事業の動向を見ており、その点からも信頼できる本となっている。とりわけ、フルターンキーによっていかに海外のメーカーが生産量を拡大させてきたか、そのダイナミズムは日本企業にはないものだ。
 とはいえ、競争はまだはじまったばかりだ。日本が世界に誇る製造業として太陽光発電が復活していって欲しい。
 ただし、誤植、それもケアレスミスというよりは、編集者の知識不足によるであろうものが、ものすごく多い。このことはとても残念である。
経済復興か、地球救済か。 ★★★★★
太陽は万人に平等に降り注ぐ天の恵みだが、それをエネルギーに変換して得られる利益まで平等とは行かない。
太陽電池産業で世界トップに君臨して来たシャープが、突然ドイツのQセルズ社に首位を奪われたり、ファースト・ソーラー(米)やサン・テック(中)、モーテック(台)といった海外勢の猛追に、日本の大手メーカー、京セラや三洋、三菱電機などが軒並み苦戦を強いられている。
オバマが打ち出した環境政策「グリーン・ニューディール」でも、経済の発展と結び付けて新エネルギーは重要視されているが、そうした心積もりは、世界各国共通であることは間違いない。出口のない経済不況、負の連鎖が続く中、この太陽電池産業は日々勢いを増して行く大きな波だ。これにうまく乗るために、現在国内外で何が起こっていて、これからどのように動こうとしているのかを知らなければなるまい。本書には、各国の政策、技術や原料調達の事情、主だった企業の戦略に至るまで、詳細かつリアルに書かれている。ニュースを追っているだけでは、ここまでの動きは見えて来ない。細かな取材力と深い見識があってこその仕上がりだ。
現在普及の妨げになっているコストの問題を解決できた企業が確実にトップに踊り出る。日本の巻き返えしはあるのだろうか。今後の動きに注目して行きたい。