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消えた年収

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 文藝春秋
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そんなに簡単には国民の年収は語れないはず。 ★★☆☆☆
まず最初に著者の統計に基づいた本書のスタンスともいうべき給与相場の
定義がなされます。

そこでは、国税庁の「民間給与実態統計調書」を基に給与支給総額を
勤労者数で除した「平均値」は高めに算出されるので、給与相場は「中位数」、
つまり、給与の高い人から順に数えて真ん中の人の給与の値を用いて、
その集合の給与相場を論じるべきという持論を展開しています。

基本的にその中位数だけでは、特徴づけが難しいため、年収のヒストグラムと
年収700万と300万で区切った3つの範囲での割合、業種別の勤労者数、
あるいは企業の勤労者規模別の給与総額、などが解釈には補足的に用いられます。

結果、平成9年と19年の2つのデータを採用していますが、両年の地域ごとの
勤労者の世代別の構成や、更には東京や大阪などへ集団就職をした比較的給与の
高い団塊の世代の地域的偏りを加味しないまま、地域毎に単純化されています。

これらは、多分に作為的であり、昨今の時勢に合わせて投入して
書籍としたのではないかと思ってしまうほどであり、県民性を固定観念により
論じたものに似て、本質的に著者の主観での解析になる可能性が高いと思います。

実際、地域の特質、例えば、「名古屋国税局管内では、自動車工業が直接雇用を
増やさず、派遣社員を増やしたはず」の様な先入観を持ったまま、データを
解釈したと思えるものも多いです。

著者の統計的解釈から将来を創造するための結論としては、過当競争へ結びついた
規制緩和、大手企業の利益確保、そして、派遣社員による給与総額削減に年収減の
根源があるので、これを対策すべし、となりますが、この正しさ云々の前に、
本書ではそこへ至る証拠集め、解釈が不十分ではないのか、と言わざるを得ません。
年収はどこへ行ったのでしょうね。 ★★☆☆☆
確かに年収はとても下がっています。
ただし、都心部の自分の周りにはそれほど下がっている人がいない。
地方の収入が少ないというのを各所で説明してくれています。
地方は見えないので、知らなかったことがいっぱいでした。

欲を言えばもう少し都心部の状況を詳しくしていただき、これからどうすればいいのかまで踏み込んであったらよかったなぁと。。
投票前に読みましょう ★★★★★
 著者の長年の研究成果に頭が下がる思いです。
文句を言わせないだけのデータには圧倒されます。
ここまで陥った原因と対策も書いてありこれからどうすべきかの参考になります。
欲を言えば対策をもっとページを割いてもらいたかったです。
今回の選挙の候補者にも是非読んで頂たいと思います。

現実から逃避しない! ★★★★★
迫力ある・説得力ある書。
信憑性ある国税データと著者の分析力が語る日本の給与実態!
なるほど! なるほど! 
巷に溢れる耳ざわりの良い給与データってなんだったのか? 
経済回復基調? ⇒ 本当なの?
現実を直視するからこそ、次の一手を考えられるのだという
著者のメッセージが痛いほど伝わってくる一冊。
特に政治に携わるみなさんは是非一読されるべし。
労作。著者の実態把握・分析の方法は素晴らしい。 ★★★★★
この著者の給与の実態把握の仕方、統計から実態をさぐる方法というのは、
他の著作と同様感心します。

日本人の給与を把握するために、公務員の給与を決定するための人事院の
給与調査結果ではなく、徴税のための国税庁の「民間給与実態統計調査」を
使う方法は、斬新かつ正確なものと思います。
公務員の賃金が上昇するニュースが毎年流れますが、その根拠として、
世間一般の賃金相場が上がっていると挙げられています。
それが今まで実感と違うと私は思っていましたが、この本を読み「やっぱり」と
納得することができました。

最後に、著者の提言がありますが、毎回、中小企業の社長さんの声を
反映したような感じで、もうちょっと学術的な分析が欲しいところです。
また、「中小企業の育成を!」「東北に工場を!」というような提言には、
反対はないでしょうが、誰が費用を負担し、リスクをとって行うのか、
何だか社会主義的なものを感じ、若干の疑問や違和感を覚えました。
しかし、それを除いても、給与の分析はすばらしいものがありました。

今後の日本人の仕事の内容や働き方とその給与水準、公務員のあり方や、
さらには国家像を考える際に、是非参照していただきたいと思います。