数字化すると見えてくること
★★★★☆
「ザ・プロフィット−利益はどのようにして生まれるのか」(スライウォツキー著)の中で、指南役のデビッド先生が「フェルミ推定」のような数的感覚を養うためにアシモフの著書(Asimov on astronomy)などを読むべし、と曰う下りがあります。その推薦図書は原書も絶版で入手が難しいので、代わりに本書を読んでみました。
読んでみるとデビッド先生のメッセージが良く分かります。分かった積もりになっていることも、数字に直してみると、より明瞭に事実が把握できる、するとそこから更に考えが深まる、という事が具体例を通じて良く分かります。いったい何原子集まると生物らしくなるか、など数値評価の姿勢など見習うべき処が多いですね。科学的事実としては既に古臭い処もあり注意を要しますが(例:元素の数、冥王星)、「数字で理解する(見える化)ということ」という意識で読めばかなり面白い本です。エントロピー/マックスウェルの悪魔の説明とか、一般人には難しい物理も("トリビア "なことにも触れながら)軽妙にサラッとやってしまう筆力には脱帽です。
「難しいことは易しく、易しいことは面白く、面白いことは深く」という研究者的態度が学べる好著ですね。
おそるべし、アシモフ!
★★★★☆
何と言っていいのだろう。「空想自然科学」とは何なのか?完全に空想ではないものの、空想部分も含めた、自然科学。例えば第4部の「天文学」では、「太陽系の中で、生命の発見される可能性がいちばんある天体は、どれだろう?」一般的には「火星」となっているが、「木星」説が唱えれられている。それも、分かりやすい説明と説得力有る根拠で。これは読んでいて面白い。
中には、難しく、理解不能な章もあるが、その思考回路は素晴らしい!としか言えない。素晴らしいと思うものの、引き続き「アシモフ」モノを読む気にはならないので(あくまでも個人的読書傾向が原因です)☆4つにしました。
小説より面白いアジモフの科学評論
★★★★★
博覧強記の一言、アジモフのジャンルを問わない科学知識とその整理能力には只恐れ入るのみ、気軽なジョークを挟みながら、本当にわかりやすく根本的なところから説明してくれている。しかも雑誌からの出展なので割と少ない文章の集まりで気に入った処から読める。シリーズ第一巻