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一朝の夢

価格: ¥1,600
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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どうして、なかなか ★★★☆☆
 いけますよ。まず、大老・井伊直弼の桜田門外での暗
殺を山場にし、開国と攘夷の名分をめぐってさまざまな
人々の運命が、明暗を点滅しながら交差する構成が見
事です。また、それぞれの人生をつなぐ仲立ちとして、
朝顔栽培(因みに書名は、白居易の放言詩、槿花一朝
の夢からきています。)の妙味をもってきているのも気が
利いています。
 登場人物ひとり一人の陰影も、充分掘り下げられてい
て、井伊(宗観)の奥行きの深さや主人公・興三郎の朝
顔にかける一途さはもちろん、運命に翻弄されたまま果
てる主人公の幼馴染みの里恵の哀れさも印象が深く、
余韻が残りました。
 本作は、本年の松本清張賞受賞作となっています。過
去の受賞作をみると、城野隆『一枚摺屋』(2005)、広川
純『一応の推定』(2006)など、秀作が並んでいるではあ
りませんか。こりゃあ、この賞は侮れませんよ。

〔追記〕 受賞第一作の『みちのく忠臣蔵』を読みました。
南部藩の忠臣、相馬大作に係るお話しを、無役の旗本の
長男(フリーター)の視点で再構成したものです。人が信
義を貫くということに、清涼剤を見出そうとしたのでしょう。
しかし、そのことにあまり現代性が感じられず、受賞作
に比べ鮮烈さには欠けていたと思います。(2009/7)

あわれはかないファンタジー ★★★☆☆
この作品はファンタジーである.黄色の朝顔を作り上げることが一生の夢の北町奉行所同心が主人公で,やはり朝顔狂いの大老井伊直弼と彼の暗殺者が副主人公.長い物語の最後に近く桜田門外の変が起き,副主人公たちは死んでしまう.この暗いクライマックスに続いて黄色の朝顔が生まれるが,この明るいクライマックスについては具体的描写が不足していて,既にエピローグ的な感じである.そして主人公は役を退き失踪してしまう.即ち,終わりがきちんとしていない.一方大老井伊を中心に厖大な史実が投入されるので,読む方は今読んでいる描写が本当の事実か否かが決し切れずやきもきする.読後の感想は朝顔の花に似て,あわれはかない.作者はこれだけの規模の小説の構成法の勉強がいま一つなのではないか.但し,読んでいてつまらないとは思わなかったけれども.
図書館のすぐれちゃんもイチオシ本! ★★★☆☆
一介の同心と大老とのかかわりで多少不自然さは感じるが、アキバ系のユニークな主人公を創造した点は評価ができる。
昔のNHKの大河ドラマ花の生涯のリメークされたもののように感じるが、私だけであろうか!?
今後に期待したい作品である。