銀行強盗が隠した大金を追いかける,若き女性Runeの冒険。
絶体絶命の場面が何度かあり,意外性も加わって,話としては,面白くできていると思います。
が,このシリーズの次作を読もう,というまでの気持ちにはなれず,何かがもの足りません。お金を追いかけるという設定の軽さ故,そう感じるのかな。
ページ数が少なく,あっさりと読めるところが利点でしょう。
とはいうものの、そうした愚痴も読み進むうちにどこかに消えてしまいます。冒険を夢見る女の子Runeが、何十年も前に起こった銀行強盗事件の際の強奪金を探し出すという話ですが、この主人公Rune(本名不明)が、やっぱり魅力的なんですよね。最後の一ページまで続きに続くどんでん返しも、さすがDeaverというべきか。
同じ主人公での続編もあるようですので、そちらも買おうと思っています。「『今何してるの?』って訊かれて『○○です』なんて答えるべき職業を自分が持つなんてゾッとしない?」なんて言える女の子の行く末は、やっぱり気になってしまうではありませんか。