読みやすさだけ
★★★☆☆
ジェフリー。ディーヴァーの最新刊。といってもリンカーン・ライムものではないし、10年以上前の作品の翻訳。
なんで、これが今ごろ翻訳されたのか分からないけど、彼の作品のファンならば読むだろう。
なかなかトリッキーな小説。筋は面白いんだけど、主人公の女性があまり魅力的ではない。というか、翻訳では若い女性のようには受け取れない。ラブ・ロマンスも唐突な気がする。かなりご都合主義かな。
でも好き。こういう分かりやすい小説もいい。
ディーヴァーファンにはお勧め
★★★☆☆
私にとって期待値の最も高い作家、ディーヴァー。
本作はそのディーヴァーの最新作。
といっても「ボーンコレクター」以前のブレイク前のディーヴァーの作品である。
具体的なあらすじは、他のレビューを読んでいただくことにして、
読んでみての感想。
ディーヴァーは、女性や恋愛を主題にするストーリーは苦手!
プロット作りは冴え渡っている。
本作を読んでつくづく感じたのは、
ライムという主人公を創造したことで、
今日の成功があるのだということ。
プロットだけでは、
読者をひきつけられないことが、
よく分かりました。
今回10数年前の作品を読むことは、
ディーヴァーファンには決して悪くないと思います。
ファンにはお勧めの一冊。
「冴え」が足りない・・・のは仕方がない!?
★★★☆☆
代表作「ボーン・コレクター」を読み、ファンになった。
ディーヴァーお得意のどんでん返しを期待した私が悪かった…
証拠をつかんでの推理ものではなく、
なんとなくそういう流れになってしまった〜感がある。
残り100ページから、話は一気に加速するが、
最後の最後の「騙された!!」ってことがない。
ドキュメンタリー映画を作ろうとするルーン。
たまたま近くを通りかかったということで、ポルノ女優を主題にする。
しかし、ポルノ女優は単なる被害者で、ポルノ女優である必要性はなかった。
さらに、宗教が絡んでくるが、そこまで根深いものではなく、
実態もふんわりした感じの団体で、それも残りの100ページからの登場。
しかも、ラストは情けない…
撮影することによって、何かしらの手がかりが偶然映って狙われるわけでもなく、
せっかく爆発処理のボーイフレンドがでてきても、
あまり科学捜査が事件解決のきっかけになるわけでもなく、
ルーンの「思い込み」で5人の容疑者に絞って、そのまま話が進んでいくし、
なんだか中途半端な感じ。
でも、まぁ、ディーヴァーにとっての初期の作品。
これで、仕方がないのかもしれない。
ゆっくり、まったりの推理小説が読みたいのであれば、いいのではないか??
ルーン・シリーズの「汚れた街のシンデレラ」は入手不可能。
気になるが、定価以上を払ってまで入手する気はない。
ツイスティングな展開に、思わずルーンを応援したくなる
★★★☆☆
本書は、’88年のデビュー作『汚れた街のシンデレラ』からはじまる、ジェフリー・ディーヴァーの<ルーン>3部作の2作目である。’90年にアメリカで発表された作品だが、16年経ってやっと本邦初訳で登場した。
ルーンは、ニューヨークのある零細映画制作会社でアシスタントとして働く、若い(私の想像では20代前半)女性である。ある8月の暑い日に、彼女はポルノ映画を上映している映画館の爆発事件に遭遇する。好奇心旺盛な彼女は、そこで上映中だった映画の女優をモデルにドキュメンタリー映画を撮ろうと決意する。女優はインタビューを快諾してくれるのだが、今度はその女優が、彼女のプロダクション事務所で爆弾によって殺されてしまう。
行動的なルーンは、犯人を特定するために、その女優と関係のある男たちを調べ始める。そうして3人の容疑者が浮かび上がり、ルーンはニューヨーク市警爆発物処理班のヒーリー刑事の教えを受けながら、動かぬ証拠を探そうとするのだが・・・。
別の映画館で爆破事件が起こったり、また別のポルノ女優が殺害されたり、そしてルーン自身も「赤いウィンドブレーカー」の男に追われたかと思うと、自宅であるハウスボートに爆弾がセットされる。ついには真犯人の手にかかり、時限爆弾と一緒に浜辺の小屋に閉じ込められてしまうのだ。危うしルーン!
それやこれやで、予断を許さないストーリー展開が最後の1ページまで続き、読者はハラハラ・ドキドキしながら、いつの間にかルーンを応援している自分に気づくことになる。
初期の作品とはいえ、さすがはディーヴァー、ツイスティングなプロットは、後のブレイクを彷彿させるものを感じた。
やさしい英語で楽しめるディーバー初期の作品
★★★★★
ルーンはドキュメンタリーフィルム製作会社で働くようになりましたが、ある日タイムズ・スクェア近くでポルノ映画館爆破事件に遭遇します。ポルノに反対する宗教団体の仕業でしょうか?事件の真相を追求するために、ポルノ女優の目を通して見た、爆破事件のドキュメンタリーの制作を始めます。しかし再び爆破事件が起き、そのポルノ女優はビルごと吹き飛ばされてしまいます。ルーンは持ち前の無鉄砲さで勇敢にフィルムを作り続けます。
フリーターだった第1作でルーンは取り壊し寸前のビルに無断で住みついていましたが、今はハドソン川に浮かぶ船に住むようになりました。相変わらずスリリングな暮らしですが、少しずつステップアップしています。爆弾解除が専門の刑事サムとの仲はどうでしょう?
ディーバー作品としては英語もやさしく、アレックス・ライダーシリーズよりも少し難しい程度ですから、初めてのペーパーバックにもお薦め。それでもディーバーお約束のどんでん返しはちゃんと来ます。第1作を読んで、「こういう人、実はあやしいのよね!」と見破ったつもりでも肩透かし、別のところでど〜んとやられます。US版もありますが、こちらのUK版の方が文字が大きく余白も程良いので、価格は高くなりますが読みやすいです。