SF/ファンタジーの面白さ
★★★★★
インド神話を下敷きにした作品です。SFの賞を受賞しているのでSF作品と見られがちですが、ファンタジー好きの人が呼んでも違和感はあまり無いでしょう。
連作短編風のつくりで、徐々に世界の背景が語られていくつくりなので、とっつきにくい点もありますが、最初のエピソードを読みきれば、あとは一息に読んでしまうでしょう。
心理面の描写など小説としての傷はありますが、純粋に楽しめるエンターテイメント作品としては、文句なく一級品でしょう。
ほとんど、何もしない《革命家》です。
★★★★★
一般的に《ロジャー・ゼラズニイ》の最高傑作と言われることの多い、傑作SF小説です。個人的には、昔サンリオSF文庫から出版されていた『ロードマークス』の方が好きなのですが、確かに、この作品も『ロードマークス』に引けを取らない傑作だと思います。基本的な内容は、一種の《革命小説》なのですが、本書の面白い所は、主人公の革命家《サム》がほとんど何もしないことです。主人公は、必要最小限の行動しか取らないのに、周りが勝手に活躍して、結果的に革命が成功する所が非常に面白いです。《無駄な行動を取るよりは、じっくり計画を練ろ》と、主人公のサムなら言いそうですね。とにかく面白い、傑作SF小説です。オススメです。
傑作。
★★★★★
インド神話をベースにしたSF。太陽系から遠く離れた惑星で、第一世代植民者は転生を繰り返しながら「天上都市」で神々さながらの暮らしを謳歌している。それに反発したサム(マハーサマートマン)は半世紀前に磁性の雲の中に投射された。そして半世紀後、彼は再び生身の身体に転生させられた。磁性の雲の中で「大いなる休息」「永遠の至福」を味わっていたサムは、初めは転生を拒絶していた。しかし、やがて彼と仲間達の、神々に対する闘いが再び始まる。一見、ファンタジーかと思われるかもしれないが間違いなくSF。傑作。
深い洞察によるハイクオリティSFファンタジー
★★★★☆
ヒンズー教ならびに仏教の神々の戦いをベースにしたSFファンタジーです。
「相」と呼ばれるそれぞれの神固有の特殊能力を発揮しながら、天上都市が
独占する科学力を下界に開放しようとする、仏陀の活躍を描いております。
闇を呼ぶ神、火を操る神、幻を操る神など多種多様ですが、仏陀の能力は
電磁力制御。派手さはありませんが、ある重要な役割を果たします。
実際には知力の方がフィーチャーされていますが。
神々と言っても人間臭く、恋愛や裏切りなどドラマティックな展開もあり、
意外ととっつきやすい内容です。
誤解を恐れずに言えば、アメコミ「X-MEN」を連想できますが、遥かに本書
の方が文学的・芸術的・啓蒙的・・・etcですので、比較してはマズいですね。
どうやら、はるか未来の太陽系から遠く離れた星という設定のようですが、
記憶違いでなければ作中にそこまで具体的な説明はなかったと思います。
ゆえに、神話の新解釈という風にも読もうと思えば読めます。
宗教用語や説法が頻出するため、翻訳も相当難しかったと思います。
原文は凝った文体のようですが、違和感なく世界に入り込めました。
ゼラズニイへのレクイエム
★★★★☆
学生のころ読みました
みずみずしい感性に圧倒されました
古代のインドが舞台です
それでいてSFです
初期のゼラズニイは神話や民間伝承をモチーフにしていました
なつかしいですね