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地獄のハイウェイ (ハヤカワ文庫 SF 64)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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異世界描写よりもスピード感 ★★★★★
核戦争で荒廃した北アメリカを突っ走る、アンチヒーローを描いた冒険SFです。
放射能の影響で化け物のようになった生物や無法化した人々が出てきますが、基本的にそれらの描写は淡白です。なので、例えばストルガツキー兄弟の「ストーカー」のような異世界描写を前面に出した作品と比べると、普通?な感じで、びっくり箱を恐る恐る開けるような緊張感はありません。
一方、スピード感は抜群で、先を急ぐ主人公の姿そのままにテンポよく物語が進み、飽きさせません。
理屈抜きで楽しめる物語を読みたい方にお勧めできます。
小説の金字塔! ★★★★★
感想はシンプルに書きます。

リチャード・マシスンの「アイ・アム・レジェンド」、スティーヴン・キングの「ザ・スタンド」コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を遥かに越える、歴史的大傑作です。

これを読んだあと、デュマ、キング、ヘミングウェイらの文章がダメ過ぎて読めなくなってしまいます。

ストーリイは「ハリイ・ポッター」を上回っています!
毛色の変わったアンチヒーロー ★★★★★
SF大陸横断ロードムービー。東と西海岸の一部以外全て核戦争で絶滅した北米大陸。伝染病により東海岸の生き残りが全滅しようとしている。ボストンまで血清を急送するために運転技術だけで選ばれたのは、ヘルスエンジェルスの親分で人殺しも屁とも思わぬ極悪人のターナー。突然変異モンスターや略奪団が待ち受ける呪いの横丁を走破して大陸横断という不可能なミッションを赦免状と引き換えに強制された極悪人はどうするか?。...とまあ良くある設定ですが、主人公が本当にワルなんです。共感できるところがひとかけらも無い悪党が主人公。

いつか本人が悟りを開いて善人に変身するとか使命感に開眼することも無し。それどころか、周囲の普通の市民が我が身可愛さに裏切ったり、ヒーローだった奴が臆病風に吹かれて逃げ出したりして、最終的に極悪人しか残らないと言う変わった展開です。ここまで開き直ると逆に爽快感を感じる。

へそ曲がりですが見事な結末の付け方です。使命感も良心も無しで、バイク乗りの意地だけでのやせ我慢の連続。悪党はヒーローにさせられてもやはり悪党のままという結末は普通じゃない。

67年度のヒューゴー賞とネビュラ賞ノミネート作品ですから駄作ということは有り得ない。なんで現在絶版中なのかが不思議な作品。再刊を熱烈待望!

ちなみに、Fox映画の「世界が燃え尽きる日」の原作です。映画も良かったけど、原作の主人公は極悪人で映画の主人公のような平凡なヒーローではないです。そこが原作の楽しいところ。