いつか本人が悟りを開いて善人に変身するとか使命感に開眼することも無し。それどころか、周囲の普通の市民が我が身可愛さに裏切ったり、ヒーローだった奴が臆病風に吹かれて逃げ出したりして、最終的に極悪人しか残らないと言う変わった展開です。ここまで開き直ると逆に爽快感を感じる。
へそ曲がりですが見事な結末の付け方です。使命感も良心も無しで、バイク乗りの意地だけでのやせ我慢の連続。悪党はヒーローにさせられてもやはり悪党のままという結末は普通じゃない。
67年度のヒューゴー賞とネビュラ賞ノミネート作品ですから駄作ということは有り得ない。なんで現在絶版中なのかが不思議な作品。再刊を熱烈待望!
ちなみに、Fox映画の「世界が燃え尽きる日」の原作です。映画も良かったけど、原作の主人公は極悪人で映画の主人公のような平凡なヒーローではないです。そこが原作の楽しいところ。