インプレッションズを脱退後、ソロで発表したアルバムはすべて充実した傑作である。この作品は全盛期のカーティスが75年に発表し、最高傑作との呼び声も高い。独自のワウワウ・ギターは健在だが、全体をスローミディアムテンポの曲が占め、華麗なストリングスやファンキーなリズムは影を潜めた。
音数の少ない異様なほど緊張感のある演奏で、一向に改善されない黒人問題や、人間が本来もつべき愛の姿を訴える。非常に重厚な作品で、シングルヒットした唯一明るい雰囲気の<3>に安堵する。(麻路 稔)
これはハマれます。ホント、カッコイイですねえ。
★★★★★
あけすけに露骨な手の込んだ強烈なジャケットです。昔のデッド・ケネディーズみたいです。
私は、ブラック・ミュージック関係は、あんまり詳しくないのだけれど、これはハマりました。私の好きな、ファンカデリックやスライ・ストーン、マーヴィン・ゲイの作品同様、これは愛聴盤になりそうです。
サウンド作りが、神経質なほどストイックで実に細かい。ちょっと聴くとユルーく聴こえるんですが、ストリングスやドラムの使い方とか、さりげなくも、巧妙で実に気持ちイイです。
抑制された、嘆くような、かすれた、ゴスペル調のファルセット・ヴォーカルは非力に聴こえますが、何とも言えない味があります。
100年経っても聴けるでしょう
★★★★★
30年前に発表されて、
20年前に初めて聴いて、
いまでも年に1、2回聴きます。
LPにはストリングスが入っていないけど、
CDのカーティス・ベスト盤でこの中の曲を聴いたら、
ストリングスがバンバンで、
びっくりした記憶があります。
どちらがオリジナルバージョンか知りませんが、
ないほうが遙かにいいね。
ドラムの人は誰でしたっけ、名前忘れちゃった。
「ハードタイムズ」のスネアの音なんて、
神がかってるよね。
ビルブラッフォードも、
リッチヘイワードも、
こんな音出せない。すごい。
完成された音なので、
100年経っても聞けるでしょう。
教会音楽のように、完結した世界の音楽です。
鏡のような音楽
★★★★☆
ピーター・バラカン氏もお勧めしていた一枚。
この音楽はゆらゆら揺れる水に反射する光のようだ。
限りなく弱々しいが、しかし決して消える事はない。
太陽が沈んでも月が姿を現すだろう。
確実に存在する光。それは、言い変えれば即ちソウルなのだろうか。
ソロの中では一番
★★★☆☆
好きになろうとしました。ソロ作の中では一番好きなのです。
一曲目から異様なほどの緊張感。完成度は高い。
しかし、ど~~してもインプレッションズの頃のカーティスと比べてしまいます。音的にはこちらの方が完成度は高いのは解ります。
解るのですが、やはりカーティスはインプレッションズだなあといつも痛感させられる一枚です。
確かに暗いけど・・・
★★★★★
元々いきりたったとこの少ない人だから、ストリングスの彩りや鳴り響くホーンズを削れば、これ程沈鬱な印象を与えてしまうのか?ボーカルやメロディーが暗いという訳ではない。むしろ今まで通りのカーティスだ。ただ動きを極力少なくしルート音を大事にするベースライン、タイトに刻むドラムス、ひかえめかつシャープなホーンズ等のミニマムなバッキングからは、いつもの(いわゆるニューソウルらしい)"華やかさ"や"流麗さ"は感じられない。(1)(4)(6)のようなミッドテンポなファンクマナーの曲に、浮ついたところのない重量感を特に感じる。たしかに暗いトーンでアルバムは統一されているが、演奏者の確かな技量に支えられ、気持ちの良いグルーヴが堪能できる。