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黒い山 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1828)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 新書
ブランド: 早川書房
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モンテネグロ、つまり黒い山でのネロ・ウルフとアーチの活劇です。 ★★★★☆
このシリーズで定番の自宅にこもって推理をしてい事件を解決していく話しではありません。シリーズの中では特殊です。知人が殺されたことで、犯人を探しに共産圏の国に行く。しかし犯人を逃亡先からうまくアメリカに行くように仕向けて、アメリカの司法で裁く。本書が執筆していた当時の社会情勢(1954年)に対しての著者の立場が明確に描かれています。社会に対して作家ができることは何か、問題点を指摘あるいは糾弾するという自覚と姿勢が明確です。
ファン待望の一作! ★★★★★
かねてよりウルフファンが待望していた作品の記念すべき翻訳。謎の多いウルフの過去をかいまみることができる,まさに必読の作品です。今作はミステリーというより冒険小説といった趣ですが,ウルフの「天才」ぶりは、「駆け引き」で堪能できます。そして,真の主役ともいわれる?アーチーも,「鉄のカーテン」の向こうでもウルフがあきれるほどのユーモアを発揮,プロの活動家もうならせる活躍でアーチーファンを楽しませてくれます。圧巻は「裏切り者には死を」の風潮がまかりとおっている地で、個人的復讐を否定し、親友を殺した犯人に,アメリカで裁判を受けさせようとすること。今作品執筆当時のアメリカは正に赤狩りの時代。作者スタウトの、民衆の権利を支持する強い信念を感じました。
冒険スパイ小説でしょうか ★★★★★
かねてより、シリーズの異色作として知られていた作品。
読んでみると、なるほど、今までの作品とは大違い。
あのネロ・ウルフが、「鉄のカーテン」の向こうへ行くんだから。
これは、本格ミステリのジャンルではなく、
冒険スパイ小説のジャンルで語られるべき作品でしょう。
そうしてみると、アメリカの国民的ヒーローが共産圏で活躍する本作が
007のブレイク以前に書かれていたことは注目に値しますね。
異色ずくめ ★★★☆☆
ウルフが飛行機に乗った!! というからにはネロ・ウルフファンは何としても読まねばならぬ、と読みました。
ウルフが推理力を駆使するミステリーではなく、語学力を駆使し体力を酷使する冒険サスペンスと言えるかな?
シリーズ中の他作品では絶対にありえないウルフ(粗食に甘んじるとか)が見られるので、ウルフファンは読んで損は無いでしょう。逆に、ネロ・ウルフ物はほとんど読んだことがないという方は、ウルフがちゃんと自宅に引きこもっている話を読んでからでないと、この話の特異さが分かりにくいと思われます。
「ラバー・バンド」や「毒蛇」のような、わずかなほころびを見逃さず犯人を追い詰めていく緻密なウルフの頭脳活動が好きなので、それの無い今作品は星3個。