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メンタライゼーションと境界パーソナリティ障害―MBTが拓く精神分析的精神療法の新たな展開

価格: ¥5,565
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩崎学術出版社
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「自分の心がわからない」「他人の心がわからない」という苦悩に向けられた処方箋 ★★★★☆
「悩み苦しむ人の心を理解して、その人を助けたい」
そんな素朴な発想が、精神医学の礎だった時代があった。
1960年代にアメリカで最盛期を迎えた力動精神医学である。
精神分析と精神医学を統合する精神医療の枠組みである。

今や時代は流れて「脳の仕組みを変えて、人を助けたい」
「人の認知や行動を変えて、人を助けたい」という発想が
精神医学の主流を占めつつある。

「心を理解したい」という医療スタッフの願いはどこへいってしまったのか。
どこにもいっていない。精神科病院には「心を理解してほしい」という患者の切なる願いが
こだましつづけている。しかし「心を理解しても治療の役に立たない」
という悲観論が精神医学を覆うようになったために、
「心を理解したい」という願いが抑圧されてしまっているにすぎない。

現代フロイディアンの申し子ピーター・フォナギー率いる最新の精神分析的精神医療
「メンタライゼーション・ベースド・トリートメント(MBT)」。
彼らが証拠に基づいて実証しようとしていることは、次のことである。
「スタッフと患者が協力して、自分や互いの心を理解しようと願い続けることによって、
境界性パーソナリティ障害を治療できるかもしれない」

「悩む人の心を理解して、その人を助けたい」と思う人に、
現代の精神医療の風潮に抗して戦うこの本をお勧めします。
難解な書き方がされていますが、それはこの本が現代の精神医学と戦っているからそうなっているにすぎないと思います。
本当は、ものすごく素朴なことが書かれていると思います。

難点は、ちょっと翻訳文が難しいことです。