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神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 (岩波新書)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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じつは、神様がいるかどうかは分からない ★★★★☆
 ある日、B(著者)のところへ大学時代の友人で同じ精神科医のTが訪問してくる。Tはカトリック。Bは無神論者。
 長年、カトリックを信仰していたTに対してBは《お前はまだ、神様なんてものを信じているのか?》と聞こうとするやいなやTは「じつは、神様がいるかどうかは分からない。むしろ、いないんじゃないか、と思う気持ちの方が強いな」と答え、Bを驚かせる。そして、その入信の動機から現在の宗教観までを語りだす。

 この本は宗教をめぐる二人の精神科医の対話という形式で書かれた一つの宗教観である。主にB(著者)が聞き手となりTが話し手となっているが、おそらくTの発言も全体を通して著者の宗教観を著したものであろう。

 非常に読みやすく、内容もわかりやすい。信仰のある人は特に、著者の宗教観にそのまま受け入れがたいものを感じる面も多々あるが、概して、信仰、宗教というものについて考えるよいきっかけになる本だと思う。
対話集でわかりやすい。 ★★★★★
初めて、なだいなださんの本を読みましたがとてもわかりやすく面白かった。また、対談集なのでその辺も「こうである」という形にしないで、「こう思う。」に対して、「いやこうだ」などという対話が生まれていることによって、読み手からすると著者の気持ちの迷いや、考えが正直に現れておりとても読みやすい書物だった。

内容は、現代の精神医療と宗教に関するもので、振り返りながら精神史を振り返るところなんかとても勉強になる。
対話者の方となださんの宗教に関する考えの違いから、宗教に関する新しい発見が生まれてきてるところなんて、そうとう面白い!!!

こういった迷いや葛藤は僕自身も精神医療に感じていたので、こういう風に対話集にしてくれるととてもわかりやすく、自分の頭の中を整理するのにとても役に立った良書である。
「人間」をどう捉えるのか。。。 ★★★★★
 この本を読み終えて、まず最初に思ったことは自分の歴史認識の
甘さだった。本文を読みながら、ハッと気付かされることが非常に
多かった。「宗教」に対する自分の中の誤解をハッキリと確認する
ことができた。誤解というよりも、漠然としか宗教というものを捉
えていなかった。
 多くの日本人と同様、特別に「〜教」「〜宗」に帰依しているわ
けではないが、知人・親戚のお葬式でなぜかお坊さんの「仏様は〜」
という話を何気なく聞き、皆と一緒に手を合わせていることに、以
前から「何か妙だな」という感覚を持っていた。そういう長年の疑
問に対する一つの解答を教えてもらったように思う。
 ふたりの精神科医が、対話の中でどういった結論に達し今後の課
題を挙げているのか、ぜひ本書を読んで確認してみてほしい。大変
オススメできる書籍である。。。オワリ
三大宗教の教祖は元々精神の病気を治す呪術家とも言える ★★★★☆
 宗教と精神医療について、同じ精神科医で、無神論者を自称する著者とは異なりカトリック教徒である同級生との対話という形で語られたもので、著者の博識・教養を楽しく読ませて頂いた。
 著者は、三大宗教の教祖は元々精神の病気を治す呪術家とも言える存在で、現代の精神科医と類似するものであり、現代は2000年かけて逆戻りをしていると思える(あるいは教祖たちが2000年早すぎた)、との述べている。この認識はナルホドと思わせる。
 以下に著者の面白い判断をいくつか記述してみました。
1、キリストは時の権力者が承認できない自説を主張したので若くして処刑され、仏陀は無抵抗主義で時の権力者が自らの心を自ら気づくことにゆだねたので殺されず、ムハマドはづっと後に生まれたのでそれらを学んでおり、歳を重ねてからの活動で現実的分別もあり、更に偶然にも戦争に勝って権力を手中にした。
2、何れの教祖も、部族社会の大狂気がもたらす不安や絶望を治すのは、多神教の神ではなく、人間であると主張した小狂人であった。
3、後年彼らが作った宗教は時の権力者に利用される結果になった。
4、現代の出来事を三大宗教の教祖はどういうのか想像すると現代の状況が良くわかる。
5、国民国家が宗教であるともいえるが、それはまさに部族社会ではないのか。
6、精神科医は個人だけではなく人間社会の治療も担う可能性を持っている。
宗教の説明としてかなり腑に落ちる ★★★★★
無神論の立場である著者があえて神を信じていた人の側から宗教について語っている。
宗教なんてくだらない妄想だ、と切って捨てるのではなく、もともとは病気を癒す療法だったのだ、とか、かなり宗教を肯定する論じ方をしている。

我々現代人を特権的な位置にすえず、我々だって100年後の人類から見たら狂気をはらんでいると見えるのだろう、と相対化する視点が共感を呼ぶ。
今まで私が読んだ宗教論の中ではもっとも腑に落ちる内容の本。