23年前から心にある一冊
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子供の頃読んで、題名や作者すら忘れているのに、その小説の骨組みやでてくる主人公の生き方、読んでいるときに想像した風景というのは、大人になってからも時折フラッシュバックするものです。私にとってこの本は、まさにそういう本でした。主人公ハンスの家族の、慎ましくも真摯に生きている姿、オランダの厳しい自然とその中にいる人々の姿。父が狂気の病におかされても、けなげに毎日を生きているハンス達の態度など。
朝日新聞日曜版で、林あまりさんが紹介していたお話を、私は子供の頃「岩波少年文庫」で読んだ記憶がありました。記事に触発され近所の図書館でしらべたところ、「ハンス・ブリンカー」という題であったことがわかりました。当時は「銀のスケートぐつ」という邦題