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生活保護の経済分析

価格: ¥3,990
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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イメージとはまた違った生活保護の実態がわかる ★★★★☆
お恥ずかしながら生活保護というと、労働意欲がない人が頼っているものという偏見がありましたが、実際には高齢者が4割強、傷病者が2割、精神障害の方が1割と事実上働くのが困難な方たちが8割を占めているそうです。審査が厳しいという声もありますが、たしかにセーフティーネットとしての役割を(少なくともある程度は)はたしているのだと実感できます。
また、後半ではホームレスについても独自の調査を交えて分析しています。好景気もあってホームレス人口はたしかに減っていること、高齢化が進んでいること、平均所得が4万円であること等を検証されています。本書刊行後のリーマンショック以後また増えているのかもしれませんが、行政の自立支援によって自立できる方の割合は20%程度と大変厳しいようです。「貧困問題」というと情緒的になってしまいがちですが、データを見ることで今まで見えなかったものが浮かんできたりもします。
サプライサイド ★★★☆☆
1.内容
生活保護が中心だが、それだけでなく、社会保障や公的扶助がどうあるべきかを、経済学的(数式など)方法を用いて探ったものである
2.評価
「高齢者や医療扶助が大半」(p15)、「日本の社会保障制度の実際の移転は、貧困層には厳しく、非貧困層にとっては比較的に潤沢なパターン」(p47)のように、イメージを覆すような現状が語られていて有益なところもあるが、おおむね、サプライサイドの都合が主で(資源が有限だから仕方がないところもあるが)、デマンドサイドの都合を無視したり、蔑視する記述が多いように感じた(p142「老後の安易な選択肢として生活保護」等から判断)。また、日本の制度自体の当然視も目立った(なぜ医療は無料ではいけない?などの疑問を生じた)。おおむね以下が星2つ、それ以前が星4つ、中間を取って星3つ。
問題整理には有用なるも、一般人には敷居が高い ★★★★☆
 どんな人たちが生活保護を受けているのか?、どうすれば生活保護を受ける
人たちを減らせるのか?という問題。その問題を経済学的に分析し(本書の
言葉を借りると「社会保障についての研究は成されていても、生活保護に関して
は研究自体が遅れている」とのこと)そして解決方法を提示しています。
 
 例えば・・・

・そもそも生活保護とは何なのか?(生活保護=貧困救済というイメージ強い
 が、実際は医療給付が半数以上を占めている。また対象者には高齢者が多い。)

・年金と高齢者向け生活保護は問題が密接なので分けるのでは無くセットで
 考えるべき。

・年金を掛けなくても(及び基礎年金部分の税方式)、生活保護を貰えば
 良いや、というモラルハザード対策として、一定額を強制貯蓄させる。
 定額給付を行う場合は財源が巨額となる為、皆が負担する仕組みが必要になる。

 ・・・等。では如何すれば良いのか?を考える材料が(論拠のあるデータ=
現状把握と共に)詰まっています。値が張る一冊ですが、興味がある方には
得るものが多い一冊だと思います。

 ただ、気になるのは前書きで「研究者だけでは無く生活保護等に関心のある
一般読者にも親しんで頂けるよう配慮した」と書かれているのに、説明や一例が
無いままに数式を本文中に持ってくるのはどうかと思います。私に数学力が無い
のは認めますが、説明の無いまま持ってこられても理解出来ないのです。

一例(本書p88より引用)

U=u(c1)+βu(c2)
※c1は現役時の消費水準、c2は高齢期の消費水準。βは割引因子。

 「U」は何を示すのか説明が無いのです。経済学を学んでいれば「U」=何それ
の式が成り立つのかも知れませんが、そうでない人には不親切だろうと。それに
割引因子の「割引」とは何を指すのか?これも説明が無いので真の理解へは辿り
着けないのです。