残念ながら、ブーレーズ、NYPのCBS録音に及ばない。
★★★★☆
アンセルメは、ストラヴィンスキーとの親交も深く、彼の作品に光を当てた功労者ではあるが、「春の祭典」の変拍子を書き直すように勧め、改訂版を作らせるなどの罪も犯してしまった。この録音は手兵、スイス・ロマンドではなく(デッカ録音により、薄いオーケストラ音を厚く聴かせる事に成功したが、実演でその実力がばれてしまった)ニュー・フィルハーモニアであるのは、賢明な選択であった。
しかし、この後、ブーレーズ、ニューヨーク・フィルの全曲盤が登場し、この録音も色あせてしまった。
今でも輝きを失わない永久不滅の名演!
★★★★★
「火の鳥」は小生の大好きな曲のひとつである。レコード、CDは10枚以上持っているが、はやりアンセルメ盤が今でも小生のスタンダードである。
この曲は他にも良い演奏は多く、知的で構成力の高いサー・コリン・デービス盤や、演出力満点のデュトワ盤も大好きでお勧めできるが、この曲が本来持っている魅力を最も素直に表現しているのは、やはりアンセルメ盤であろう。一切の作為がなく、作曲者の書いたスコアそのものが生きた音楽になっているように感じる。
フィナーレでは、圧倒的な響きの中に、目の前に透明な世界が忽然と広がる(何と心地よいことか!)。フィナーレでの高弦の使い方が上手いのだと思うが、あくまで自然な響きであり、この点ではデュトワ盤ではフィナーレでの金管の突出した響きに、曲の最後になって妙に違和感を感じてしまうのである。
ストラビンスキー:火の鳥
★★★★★
巨匠 アンセルメ 最後の 録音です。
なんと オーケストラを 自由自在に 動かして いることか!
彼の 本当の 実力を 感じ させます。
今にも 火の 鳥が とんで 来そうな 光景が 浮かびます。
ストラビンスキーを 実に 良く 理解 した 指揮 だと 思います。
この CD を 聴いていると また 火の鳥の バレーが 劇場で 見たく なってくる 一枚 です !
火の鳥、定番、規範の演奏・録音です
★★★★★
1968年11月、アンセルメ(85才)最後の録音となった超名盤です。この演奏は鬼気迫る気迫と毅然とした男性的な姿勢が、否応なく聴くものの心を打ちます。当時超絶した録音技術で他社を圧倒していたデッカは録音エンジニアにKenneth Wilkinsonを起用、現代最新の録音にも勝る音を記録する事に成功して居ます。よく聴いてみて下さい。自然な音像、エスプリの利いたアンセルメならではの音色・雰囲気づくり。それらが死力を尽くした演奏のすべてを理想的な形で後世に伝えて、『時代に左右されてはいけない』というレコードの本来の目的を如実に示しています。最近のクラシック録音の多くは、この規範に較べて操作し過ぎています。このあたりも聴きどころです。