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Runaway World

価格: ¥1,101
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Profile Books Ltd
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時間がない人のためのエッセンス ★★★★★
 ギデンスというよりは、社会学領域が築き上げてきた知見を、ニューレイバーの行く末を見据えて極めて単純かつ解りやすく呈示した著作に思えます。
 従来の啓蒙主義は、われわれの認識あるいは科学の進歩により、世界はより秩序だった安定なものになっていくと考えてきました。しかし実際は科学による不確実性とグローバル化による多様性の増加により、世界はますます管理不能(暴走)な状態に陥りつつあります。
 こんな現状認識の下、グローバリゼーション、リスク、伝統、家族、民主主義という重要な概念を軸に、現在進行しつつある社会変化を説明していく体裁を本書は取っています。この本では結論だけを簡潔に書くのみで、そのかわりに各章が依拠した先行研究を代表する著作があげられ簡単な説明が付されています。ようするに意図的に最低限のエッセンスだけで書かれているように感じます。
 この10年前の本で、ギデンスは、21世紀がグローバリゼーションと原理主義との対決の場になると予想しています。民主主義が多様性を容認するという原則から、彼は前者が優勢であることを願います。たしかに米国大統領選を自国の選挙以上に熱狂する世界の姿を見るにつけ、彼の「民主主義の民主化」という概念は魅力を増しつつあると感じます。にもかかわらず21世紀の新世界恐慌下、中短期的には無念ながら地域主義と原理主義が力を持ちそうなのが悲しいところです。
いまだに、優れた入門書です。 ★★★★★
原著は1999年のBBCの放送を土台にしています。すでに10年近く経過し、本来ならもう古いはずですが、残念ながら、グローバル化についてまだこれを越える入門書はでていないのではないでしょうか。・・・・・大前研一の本、トマス・フリードマン本も面白いですが、ギデンズに較べると、やはり視野が狭いですし、分析も一面的です。

高校生や、大学生1,2年生がグローバル化について学ぼうと思うならば、まず推薦できる本です。・・・・・唯一の難点は、佐和さんの翻訳が不誠実なことくらいでしょうか。一文をとばしたり、強引に意訳したりして、原文の意味が伝わらないところがあります。・・・英文の原著は、かなり平易な英文ですから、大学生の英語のテキストとしても十分に使用できると思います。
ギデンズの本としては深みに乏しい ★★★☆☆
 私見では、社会学者ギデンズの長所は、その複眼的、重層的なものの見方だと考えている。それが最もよく現れているのが「国民国家と暴力」であり、国民国家を図示した巻末に近い概念図は、彼の複眼的思考を示して余すところがない。
 本書の議論の進め方と結論の出し方はあまりに直線的で、ギデンズの長所が全く現れていない。「暴走する世界」ではなく、ギデンズ自身が暴走している印象を受ける。
 このわかりやすさにだまされてはいけない。面倒でも、あの分厚い「社会学」その他からギデンズのグローバリゼーション観を拾って再構成していったほうが正確な理解ができるように思われる。ともかく、あまりにも二項対立的な思考にとらわれているように思えるのである。
民主主義もリスクも結婚もひとまとめに! ★★★★☆
ギデンズはご存知ブレア英政権のブレーン。とはいえじゃぽんの御用学者竹中ヘイゾーとは違い現代において重要な役割を社会学の分野で果たす一流の学者。「社会学」というスタンダードな教科書も書いている。さて最初は何この本210ページ中本文は160ページ、後は訳者解説が30ページ(!)も続いて推奨文献やらで20ページってどういうこと? しかもやたらと字が大きく、1ページあたりの文字数もやたら少ない。

でも読み出すと中々読ませる。とりわけ自らの身の置き方がすごく慎重でいい。例えばグローバリゼーションを巡る経済的議論って、左翼的な懐疑派と市場原理を重視した「ラディカルズ」に大きく二つに分けられる。ギデンズは市場原理の問題点を承知しつつもあえて後者を支持する。また文化的グローバリゼーションの問題でも、コスモポリタニズムと伝統主義(伝統に関する議論を受け入れないのが伝統主義!)の二分法でも、コスモポリタニズムにふさわしい形で伝統が生まれるだろうとしている。

ギデンズのグローバリゼーションに関する議論は終始一貫している。それは国家戦略といったように誰かが推し進めているものではなく、通信・交通技術の発達により進んだものであり、この自然な流れに逆らうことは出来ない、そして近代に成立した「国家」や「家族」といったものは形こそこれまでと一緒だけど中身は大きく変容し従来の考え方ではとらえられないという「貝殻制度」になってしまい、カタチよりも内容を考えなきゃならないのは民主主義(制度としての民主主義→より優れた民主主義という変化)も結婚(再生産と労働力の提供→ふたりの愛の証明!! という変化)も同じだ、としている。このあたりの議論は大雑把ながらも刺激的。

とにかく字がでかいんで読みやすい。ただ、もっと長めできちんとした例証のついたものも読みたいところ。

批判的に読むべし。 ★★☆☆☆
本が薄くて文字が大きいとあって無茶な議論が多い。簡単に言うと論理の飛躍というか、根拠がしっかりと述べきれていないと言える。

また確かに「グローバリゼーション」「リスク」「伝統」「家族」「民主主義」というのは、現代を説明するのには最適のキーワードとは言えるが、家族や民主主義は現状の変化を述べるだけで、彼の独特の議論がなされているとは思われない。

あと翻訳をした佐和さんはギデンズを崇拝しているのか、解説のところではギデンズをべた褒めしすぎである。もう少し相対化して述べるべきであっただろう。
本文内でギデンズ本人が自己陶酔している場面もあり、かなり見苦しい場面もある。
この本は入門書として読む方には、ギデンズというブランドにとらわれず、批判的に読んでほしい。