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男権主義的セクシュアリティ―ポルノ・買売春擁護論批判 (シリーズ現代批判の哲学)

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青木書店
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『残念ながら』貴重な本。 ★★★★☆
著者が批判しているのは性表現や性行動ではない。
ポルノに現れる「男性の女性に対する暴力の肯定」と
買春で形作られる「男性の女性に対する認識の歪み」が
その批判対象である。
ポルノ・買売春批判は「女性にとって」害であるとされ、
確かにそれはその通りではあるものの、
その問題設定の中ではポルノを享受する男性を敵視していると
感じられるものも多い。そのような論調では、どうしても男性
(また女性も)が反発を覚えるものである。
この本では「男性にとって」これらが何であるかを論じた上で
その存在を糾弾しており、ポルノ・買売春の存在を男性自身の
問題だと捉えている。
著者自身が男性であるからこその視点であろう。

このような本が数少ない現状が残念である。
この内容をもう少し端折るなり、やわらかくして新書などで
出たらよいと思う。

気付かない男権主義的セクシュアリティー ★★★☆☆
私たちは気が付かないうちに男権主義的、男が権力を握っているセクシュアリティー(性行動)に絡め取られ、それを強化している。
アダルトビデオなどで「女性は強姦や痴漢を望んでいる」「強姦されて嫌がっていても感じるものだ」という間違ったイメージを植えつけられることは、女性にとっても不幸であるのみならず、男性にとっても不幸でしかない。
それはアナルセックスやフェラチオなどの「異常な性交」を普及させる。
筆者はそれらを普及させるメディアを激しく糾弾するが、少し行き過ぎではないかという感じもある。
しかし、アダルトビデオに影響を受け、女性の性交のシーンを想像したり、嫌がるのにフェラチオを望むのが、本当に「豊かなセクシャリティ」なのだろうか、とこの本を読んで考え直すことは、無駄ではないと思う。