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ザ・コクピット (1) (小学館文庫)

価格: ¥610
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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往年の戦争映画の良きエッセンス。 ★★★★★
最近の戦記漫画を知っている人には、ウソばっかりで物足りないかも知れませんが、
初期の「ザ・コクピット」シリーズは、1960年代の戦争映画のような味わいがあったんですよ。
これらの作品が気に入られた方には、往年の名作戦争映画「戦闘機対戦車」と「633爆撃隊」をお薦めします。
これらの作品は、「戦記漫画」「戦争ドキュメンタリー映画」ではなく、「大人のための良質な童話」です。
イイですよ!
戦場の物語 ★★★★★
 松本零士氏の作品は、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999が一般的にはよく知られている。それらがいわば氏のメジャーな表の代表作だとすれば、この『ザ・コクピット』に収められた「戦場まんがシリーズ」をはじめとする一連の作品は、裏の代表作だといえよう。

 先の大戦は人類未曾有の大惨事であり、そこでの日本の役回りは極めて侵略的なものであって、私(評者)としてはそれは全体として肯定できるものではなく、また著者も同様の認識にあると思う。しかし、そこで実際に戦っていた将兵は、そうしたマクロの視点からだけでは見えてこない、さまざまな思いを抱いて戦い、また感じていたはずである。そのことは、戦後出版されたさまざまな戦記や手記を読んでもうかがえる。

 戦いに実際に関わった個々人の思いを、漫画という表限手段を用いて、また半ばフィクションであり半ばノンフィクションであるというジャンルの利点を活かしてあらわしたのが、この『ザ・コクピット』である。同じジャンルの他の著者による作品の追随を許さない、極めて緊張感の高い作品が揃っている。