非常に面白かった。
★★★★★
この本は5冊シリーズになっているうちの5巻目で、前回3巻目を読んだことをきっかけに、5巻目も読んでみました。
職業上の「働き甲斐」「やり甲斐」「生き甲斐」というものは、分かったようで分からない、非常に定義が曖昧なものです。
この本では、明解な調査データをもとに、明確にこれらを定義しています。社会調査研究の中で、これほどデータがしっかりと明らかに出ているものは、他にあまり見たことがありません。社会科学とはかくあるべきという堂々とした存在感があります。
人間とは己のためだけには生きることができない、他がために生きて初めて「生き甲斐」を見出す生き物なのだという深い洞察を実証データから得ることができました。これは非常に大きな納得感をもたらしてくれました。
あえて言えば、どうしたら職務的自尊心を築き上げることができるのか、著者の一歩踏み込んだ考察をきいてみたかったと思います。次の著作に期待いたします。