社会心理学による組織文化診断
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組織の社会技術5巻シリーズの第1巻であり、シリーズの要約及び参考文献を著したものです。
シリーズとして、会議手続、属人思考、内部告発、職業的使命感について1巻ずつ社会心理学の観点から詳細な研究内容が出されていますので、詳しくは各々を読む必要がありますが、研究全体を俯瞰するには本書を読まれるほうが良いでしょう。
また本巻の半分のボリュームを割いて参考文献を掲載(著者らによる評価・レビュー付)していますので、この研究について更に情報を集めるうえでも良い情報を提供しています。
全体を通して、サンプル数が少ないのでは?他にも調査項目・切り口があるのでは?と思うことは多々ありますが、これはこの領域の技法の限界(アンケートかインタビューでしか情報は得られませんし、統計処理でしか整理できません)でもあるでしょうし、研究予算も無尽蔵にあるわけではないでしょうから、これらをもって減点するのは酷だと思いますので、減点はしていません。
このシリーズを起点として更に様々な情報・切り口で研究が進むことを期待しています。
文献が良い
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きちんとした科学的データ処理をしてあり、文献もきちんとしている。調査方法に関しては教科書的扱いなので、削除されているがなかなかのものである。
この中で取り上げられているものとして、Robertの会議規則、内部告発、属人的意思決定など興味深い。うちにも導入して欲しい。
文献案内が充実しています。
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本の半分が、この5冊シリーズの文献案内に割かれています。量が膨大で驚きました。それぞれの文献に星印で評価が示され、コメントが付されています。コメントが短文ながらもズバッと確信に触れられていて興味深い。この分野の知識を増やしたい場合、研究をしたい場合に、非常に役立つと思います。