「手紙一」から「手紙四」はそれぞれとても短い文章ですが、賢治の思想がストレートに語られている作品だという気がします。とくに「手紙四」は僕の大好きな作品です。賢治は「世界全体が幸せにならない内は自分の幸せはない」と考えていました。僕は以前 それを道徳的に過ぎ、いくらか聖者ぶっているような気がしていたのですが、「手紙四」を読んでそうではなかったことを納得できました。ポーセを愛することとすべてのいきものを愛することはまったく同じことだったのです。ぜひ沢山の人に読んでもらいたいと思います。 また、安野光雅による表紙の装画もとても好きです。