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後藤田正晴 日本への遺言

価格: ¥1,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 毎日新聞社
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政界のカミソリの遺言から、自分の中で眠っていた何かが… ★★★★☆
 本書は、政界のカミソリと評された後藤田正晴氏が、TBSの番組『時事放談』に出演された際に仰った発言のポイントをテーマ別に構成し、1冊の本にまとめたものである。太字で印象に残る発言をまとめ、必要に応じてその後の発言が追記されている。そのため、極めて読みやすく、あっという間に読破してしまった。
 テレビ番組での発言のため、それ程深みは無いと思いがちである。実際、半分以上はそれ程印象に残らなかった。しかし、編者が上手くポイントをまとめているので、一言に含まれる深みが違う。そのため、1割は現在でも頷いてしまうほどの言葉があった。その中でも、私が最も関心を抱いた発言は郵政改革に関するコメントである。

 郵政改革について、著者は、「官と民の境界線を明確にする必要があり、これを行わなければ軍事会社が戦争を行うような事態に陥る可能性がある」と指摘していた。このコメントを読んだ時、私は7〜8年も眠っていた公共経済学を思い出し、公共経済学に対する関心が再燃してしまった。
 他にも、著者は若者へのメッセージやクールビズ、そして情報機関に対してワンフレーズで感想を述べており、これらフレーズからは激動の時代を生き抜いた男の凄さを垣間見ることができた。

 本書を読むことで、読者は私と同様に自分の中で眠っていた何かが目覚めるだろう。そして、著者の発言から応用・発展するだろう。なお、評価は深みが無かったため星4つとしたが、テレビ番組での発言の一部を再構成したので、5段階評価の5に限りなく近い4.8である。
他に後藤田氏の本読んでる人向け ★★★★☆
 晩年の時事放談をまとめただけあって、読むと歳食ったなぁ・・・
と思わせる。もっともっと気骨があって、硬い、こうでなくちゃ
いかんとはっきりした信念ある親父だった。自民党事態はあまり
好きではなかったのだがこの人だけは好きだったなぁ。

 本としては内容がそれ程ある訳でもない。一字一字が大きく
読み易いのはいいのだが、後藤田氏のことをあまり知らない人
にはお薦めしかねる。

 後藤田氏の本、氏について書かれた本をいくつか読んでて
まだバリバリと活動してた頃を懐かしみながら読む本だ。

    いなくなって残念な政治家です。
含蓄がある ★★★★★
私は良いと思います。大きな文字で書いてあると、一言が意味深いことがわかります。官から民へという小泉内閣に対し、利潤を美徳としている「民」と国民の立場に立つべき「官」の分界線を明示すべきとの言葉は、今の耐震偽装の問題を暗示していますし、立場の弱い人に政治の光を当てるのが政治を担当する者の大きな責任だという言葉は、市場原理で弱者切り捨てのように見える今の政治に大きな警鐘となると思います。
墓標としての体裁はよいが、内容はかなり物足りない ★★★☆☆
後藤田氏の「遺言」である。これは何か書いてあるに違いない、と書名だけでとにかく手にとった。

結果は、少しがっかり、である。

大変薄い本でしかも1ページにひとこと、という形式のため、まとまった論文ではなく句集のような体裁である。警句集、という体裁そのものは悪くはないが、練りこみ方が足りないせいか、「後藤田の遺言」として手帳にメモして引用できるほど鋭いものは少ない。テレビ番組(時事放談)での発言をそのままピックアップしたというが、本当に発言の一言ひとことを抜き出しているために、前後の流れがわからず後藤田氏の真意にもなかなか届かない。できれば「これはボクの遺言だよ」と後藤田氏がいったという回の放送だけでも、そのまま採録してほしかった。

後藤田ファンには、これはこれで感慨深く値打ちのあるものだとは思うが、私のように初めて後藤田氏を読んでみよう、という方には少なくとも、お勧めはしない。後藤田氏の著作はほかにもたくさんあるらしいので、そちらをあたってみたいと思う。気合を入れて読んでみようと思っていただけに、これはちょっと、期待はずれであった。



硬骨なハト派の遺言 ★★★★★
後藤田正晴という政治家が最後まで国を思い、将来を危惧しながら、もう政界の誰も耳を貸さないかも知れないと思いながらも、どうしても言わずにはいられなかった現今の政治情勢への警鐘です。
時事放談での発言という形式上、ややこの本だけでは真意が汲み取れませんが、今の政界がデマゴーグ化している中でいかに長期的視野を持って政治、特に外交を遂行していかなければならないかの示唆に満ちています。
古い平和保守主義、と切り捨てるのは簡単でしょうが、ではそれに変わる新しい政治概念が何であるかを考える時に一考してみるべきものとして、有用だと思います。比較的さくさくと読めますので、それほど手間になることもないでしょうし。