1973年の公開当時は評判が高かったこの映画は、音楽をドノヴァンが担当しており、神を敬い自然を愛す敬虔な修道士アッシジの聖フランチェスコをテーマにしている。が、出来上がった作品は、別物になっている。フランコ・ゼフィレッリ監督(『エンドレス・ラブ』)は聖フランチェスコの理想を追求し、愛と平和についても描こうとしたが、結局は緩慢としてしまい、テーマを一貫させることができず、それ以降、彼はモダンな作品に戻ることになった。グレアム・フォークナーの演技も印象に残りにくく、ドノヴァンの音楽も一級とはいえない。(Tom Keogh, Amazon.com)
なんだこれ?
★☆☆☆☆
評価が高かったので非常に楽しみにしてたんですが、まったくがっかりでした。
前半の山場というべきフランチェスコの回心ですが、その表現がまず酷い。
木像のキリスト像がぐるぐるまわり、目が開く。まるで呪いの人形ですね。
熱病で脳がやられただけだとしか思えません。
屋根の上で鳥を捕まえて空に放すシーンですが、あの鳥はわざと飛べないようにされてるんですよね?
動物を愛したフランチェスコの精神に反した動物虐待映画。非常に嫌な気分を味わいました。
司教など俗物っぽい人物は皆安っぽいステレオタイプばかり。
それぞれの人物の深さというものを全然感じませんでした。
全体的に薄っぺらい印象しか受けません。
小説ですが、ニコス・カザンザキスのアッシジの貧者が感動的作品であったので、それに類した感動が味わえると思ったのですが過剰な期待だったようで、まったくハズレでした。
子供のころに聴いた主題歌が忘れられなくて
★★★★☆
子供の頃に淀川さんの解説付きで、TVで初めて観ました。
その映像の美しさ、主題歌の素晴らしさは、30年以上経ても、脳裏から離れなかったですね。
ずっとレンタルショップなどで探しても見つけられず、まさにわが幻の映画です。
大人になって、イタリアを訪れたり、キリスト教に関心を持ち始めてからは、なお一層この映画を再度観たくて仕方ありませんでした。改めて観て、心が洗われましたね。ドノバンの主題歌の美しさは、少しも色あせていませんでした。
本当に美しい映画です。そして、教皇役のA・ギネスの重厚さはさすがです。母親役のヴァレンテイナ・コルテーゼは美しいですね。もちろん主役の若い二人も、清らかで美しく、すがすがしい気持ちにさせてくれました。
フランチェスコの清貧の思想の勉強にもなるので、興味のある方にはいいと思います。
十字軍の遠征に疲弊し、キリスト教会が富と権力にまみれ腐敗し、「免罪符」(今ではショクユウ状というのですね)を発行していた時期だということを心にとめて映画を観れば、よりラストシーンの教皇の苦悩も理解しやすいかもしれません。十字軍に加わり、戦に行けば免罪符をもらえた、すごい矛盾です。また、金品で免罪符を得ていたなんてね。
それは当時の私に、あこがれにも似たショックを与えた映画でした。
★★★★★
その映画は、私が「生きるってどういうこと?」とモヤモヤした毎日を過ごしていた頃、
たまたまテレビで見たのでした。
「ブラザー・サン シスター・ムーン」。
主人公のフランチェスコが、熱にうなされて、そこから目覚めた日、
まるで人が変わったようにお金を捨て、それまでの友人達、家族たちと離れ、
自分の真実を生き始めたという映画。
それは当時の私に、あこがれにも似たショックを与えたのでした。
本当に自分が大事だと思う世界。愛と希望の世界。
そのために、不必要なものを捨てて生きる。
その潔さ、そして、それほどまでに人生を自分で変えることができる!
そのことに初めて気がついた経験だったのです。
今の私は、お金も大事だし、自分が大事に思っていることの広め方も
別の方法を選ぶと考えるけれど、
それでも自分の真実を発見し、
その気づきをそのまま生き抜いた姿を思い出すたびに、
自分らしく生きる情熱を呼び覚まされます。
ライフワークスクール・ナビゲーター
心療内科医師 小栗 哲久
何かは感じるはず…
★★★★★
人生は幸せを求めながらも患難〜苦難の日々。
だからこそ、宗教は違えど、神にすがりたい気持ちがが人間には、あるのだと私は思います。
この映画で、印象的なシーンは、全てを捨て神に従うフランチェスコとラストのローマ法王が衣を脱ぎフランチェスコの足に口づけをするものの、結局は豪華な衣装と椅子に戻るシーンです。
聖書には、(金持ちが天国へ入るより、ラクダが針の穴を通る方がたやすい)とありますが、私も権力、物欲に逆らえない惨めな人間です。
感動しました。
★★★★★
フランチェスコの純粋な生き方、お金や物欲を捨てて、貧しくても喜びがある清らかな生き方はすばらしいと思いました。
音楽もすばらしかった。涙が出ました。クリスチャンではなくても感動する作品でした。