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バルトーク:協奏曲集

価格: ¥3,000
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル ミュージック クラシック
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ブーレーズならではの明晰なバルトーク ★★★★★
ブーレーズが独グラモフォン・レーベルに録音してきたバルトーク・チクルスが本盤を持って完結した。今回は知名度の低い協奏曲を集めたもので、資料的な価値も高い。

さて、ブーレーズはこのシリーズを通して全ての協奏曲を録音したことになるが、際立って特徴的なのが曲によって独奏者が違うことである。以前のピアノ協奏曲3曲でも、ツィマーマン、アンスネス、グリモーと3人のソリストを起用したし、今回のピアニスト二人はエマールとステファノヴィチである。ヴァイオリン協奏曲も第2番がシャハムだったのに今回(第1番)はクレーメル。どこまで意図が深いのかわからないが、確実に言えるのはそれだけこのシリーズが「ブーレーズ」という音楽家をがっちりと中心に据えた企画だということだ。

「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」は同名のソナタを編曲したもの。私は「ソナタ」をよく聴いたが協奏曲版は今回が始めてだった。原曲がとても面白かったのでそれが協奏曲になると?と様々な興味があったが、聴いた印象は「意外と変わらないかな」と思った。オーケストラ譜がすっきりしているためか、音が極端に増えたり、カラーが大きく変わったりというようなことはなく、むしろ平均化されマイルドな味わいになっている。ブーレーズの指揮も抑制を意識したのか、禁欲的とも思える冷静な音色だ。終楽章のリズム感がより明瞭に感じられた点が特徴的。ヴァイオリン協奏曲第1番はロマン派的情緒と印象派的な色彩を湛えた曲で、初期のシェーンベルクやショーソンを私に想起させる。クレーメルは相当神経をこまやかに使っている印象で、バッハを弾いたときの野太い響きとはだいぶ印象が異なった。楽曲に応じてスタイルを変えたのか。瑞々しい細やかな表情づけで、曲のロマン性がよく出ていると思う。遺作であるヴィオラ協奏曲は始めて聴いた。今回の収録曲の中では一番渋い楽曲だろう。「ヴィオラ」にしては高音域を多用しており、ちょっと聴くとヴァイオリンのようにも思える。短い終楽章がバルトークのヴァイオリンやピアノの小品、あるいは舞踏組曲等で時折みられる野趣性が出ていて、個人的にはとても楽しく聴くことができる部分だった。いずれの楽曲でもブーレーズの指揮は冷静で、解析的とも言える克明な音楽を生み出している。
バルトークのクレーメルは ★★★★★
学生時代によく好んで聴いていたバルトークのviolin協奏曲ですが、この20年間は聴かずにいたもののクレーメルとブーレーズとなればチェックしないわけにはいきません。ゆっくりめの演奏と少しチョン・キョンファ盤と比べて枯れてはいますが全体のバランスは見事と言う他ありません。解像度の高いバックもブーレーズならではですし、ベルリンフィルらしい音といい、ビオラ協奏曲もまたキム・カシュカシャン盤と一緒に聴きこんでいきたい。