本当に分かりやすい入門書。
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認知言語学や認知意味論の本は何冊か今までに読んだことがあったが、ここまで分かりやすく説明し、まとめられている本はあまりないと思います。
内容は主に意味について認知的視点から、日本語の例をよく使って書かれています。入門書なので、認知言語学のパラダイムの大半を網羅しているわけではありませんが、意味について認知的な視点から考察する方法を教えてくれています。もし学生に教える機会のある人なら、この本のように教えたらきっと分かりやすい講義になると思い、その点からも勉強になりました。
タイトルでは「認知意味論」となっていますが、本中にも書かれているように、ラネカーの「認知文法」の視点も取り入れた広い意味での「認知意味論」です。最後には、今後更に勉強したい人に向けて参考文献も書かれていて、本当に入門者にとって親切な本です。