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疑惑 (文春文庫 (106‐67))

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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「疑惑」からフェルメールへ ★★★★★
つい一週間ほど前に、この清張の「疑惑」をテレビで見た。田村正和主演のものだった。清張作品は、原作を読めばわかるが、どれも単体では語れないし、それどころか、とんでもないところに、それこそ形而上学的につながっている。例えばこの「疑惑」は、北陸日日新聞というようなことや、能登海岸から海への飛び込み自殺の話題の存在という理由以外にも、「ゼロの焦点」で清張が取材した内容の副産物を利用しているのは、みえみえなのだ。具体的に言えば、どちらもイザナミを追って黄泉の国に行ったイザナキが、約束を違えてイザナミの腐乱した姿を見てしまい、逃げ帰るというあの古事記の物語が伏線になっている。「疑惑」では心中となり、「ゼロの焦点」では冥界に消息をたった夫というふうな象徴に、どちらも男女関係が古事記とは逆転しているものの、基本は同じである。逆転の理由は、現代という時代がそうさせたにすぎない。流石は日本一の古事記の理解者・清張だからできる芸当である。ここからやや手前味噌で超飛躍した話題になるかもしれないが、あの十七世紀、オランダの画家・フェルメールも清張の「疑惑」と見えない糸でつながっている。古事記と今風の殺人事件を並べる清張なのだから、こんなことがあってもちっとも不思議ではない。清張自身がそうしなくてもだ。二つをつなぐキーワードは、奇妙な名前である鬼塚球磨子の「クマ」(熊)と、さらには「オニ」(鬼)によくともなう仮面(鬼の)や、それが登場する舞台(能のような)である。。詳しくは「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著をご覧いただきたい。
怖かったです。 ★★★★★
「疑惑」は短編でTVの2時間ドラマとかでも何度か映像になりました。TVは弁護士(岩下志麻)の視点で描かれていて最後にどんでん返しがあり非常に面白く痛快だったのを覚えてます。だから、原作を読んでみようと思い、実際、読んでみるとすらすら一気に読んでしまいました。原作はジャーナリストの視点で描かれていて面白かったです。ラストシーンがまた想像力をかきたてられ怖かったです。夜中に読み終えたのですが眠いのに寝れませんでした。(怖くて)
「見えているもの」から思考する手順を教えられる ★★★★☆
文庫本タイトルの「疑惑」と「不運な名前」の2篇を収録(解説はなし)。カバーの絵がイマイチなんだけれど、いずれも「名前」のせいで罪を着せられた被告人をめぐる秀逸な作品です。

「疑惑」は、乗用車ごと海に落ちた夫婦の事件。妻には東京でホステスをしていた過去があり、夫との年齢差は15歳、しかも事故で多額の保険金を得ることになった。妻の犯罪だと疑う者が多いなか、マスコミも「悪女」による犯行だ、死刑にせよ、と煽る。一方、裁判で国選弁護人を引き受ける弁護士は、証拠の示す事実を丹念に考えることにより、実際に起こったことの証明を試みる。メディアなどで喧伝されるイメージにまどわされることなく、「見えているもの」をしっかりと見ることはムズカシイものだと痛感します。

「不運な名前--藤田組贋札事件」は、北海道行刑資料館(北海道央・空知支庁月形町、最寄駅は岩見沢)が舞台。資料館は、もとは「樺戸集治監」として利用されていた(流刑の重罪囚、刑期20年以上の罪をおかした者などを収監。明治14年設置・大正8年廃監)。展示場には、辞令や寄留戸籍簿などの関係文書やもとは職人だった囚人の作った品々が展示されている。日本画「観音図」を残した画工の囚人もいる。彼が紙幣偽造の罪でここに収監されたのは政治裁判故の冤罪ではないのか? 伊藤博文に命じられ赴任した役人・月形潔(そこで月形町なんですね)の任は、この監獄設置のほかにもあったのではないか? この疑問を、男女3人の会話形式で紐解いてくれます。

いずれも読みやすい分量にもかかわらず、いつどこで起こってもおかしくない事件だと考えさせられる2遍でした。

犯人だと思う! ★★★★★
運転ミスで、海に落ち、自分は助かり運転していた男は死んでしまう。
熊本県の球磨川から取った球磨子と言う名の主人公と
新聞記者の戦いになるのだが、事故なのか?殺人なのか?
清張が描く犯罪の動機が良く現れ、窮地に立たされる新聞記者の心理が理解できました。
手に汗握るラストです。
good. ★★★★★
good.