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豊臣秀吉 (上) (岩波文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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愛山先生は遠くなりにけり ★★★★★
明治の歴史家・山路愛山の名調子が味わえる得がたい1冊。原題は『豊太閤』、初版は1909年の刊行だという。愛山が引用する原典など、字を追うのが面倒くさくなる部分もあるが、大して漢文、文語調に慣れていなくても何となく読めるし、何よりもところどころで現れる名調子が大変に勉強になる(辞書で調べれば、だが)。

このごろ流行の「読書法」のテクニックで言えば、名調子の部分にアンダーラインしておいて、後からノートに書き写しておこう。語彙も増えるし、カッコいいから真似して使ってみたくなる(線を引くのを忘れたので引用ができないことをご容赦)。

それにしても、たかだか100年程度前の大衆歴史物であるのに、難しい漢語調言葉が多い。要は「何となく」しか読めないのだ。現在これをスラスラ読める大学卒(それも高偏差値大学卒に限定してよかろう)は、相当な教養を持っていると断じて誤りはないであろう。いや苦労なしに読める者など皆無か? 辞書片手では追いつかず、大部の漢和・古語辞典も傍らに読まないと全ての単語を理解できない。本書は昭和初期まで結構読まれたらしいが・・・。
解説の朝尾直弘は、「脱亜入欧」の成れの果てと書いている。
明治から昭和初期の読書大衆は、現在よりはるかに教養が高かったことを証する1冊! 残念!! とても追いつかない。