約200年間西欧キリスト教勢力とイスラーム勢力が争った十字軍の時代を
概括した入門的な本です。
両陣営にスポットが当たっており、偏った十字軍史というわけでない。
ただ単純な宗教的対立が十字軍を生み出したのではないことが分かるだろう。
十字軍国家と在地イスラーム国家は政治的な利害関係で離合集散を繰り返していたのだ。
それを克服したサラディンの活躍が中盤のメインテーマになっている。
その為か、その後の話はあらすじ程度になってしまっている。
フリードリヒ2世の話にも紙面をさいてもよかっただろう。
ちなみに全8回の十字軍説を採っている。