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モラルリスク常習者たち――保険金詐欺

価格: ¥1,680
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 作品社
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保険金詐欺のリアルな臨場感が再現 ★★★★★
不況で増加するものの一つが、当たり屋や保険金詐欺です。

さらに、彼らに追い風な背景が、保険会社の保険金不払い・保険料取り過ぎの問題です。

「いいかい。天下の保険会社ともあろうものが、弱い者いじめをして、保険金の支払いをケチりやがって。金融庁にでもねじ込めば、営業停止になってお手上げだろうが。今までは支払わないようにすれば、その分、てめえらは評価されて給料やボーナスが上がったようだけど、これからは不払いは許されねえんだぜ。ごちゃごちゃ言わないで、早いとこ出したほうが、互いにすっきり片付いていいんじゃねえの」(本書より)

と保険金詐欺を企む輩は保険会社を揺さぶります。
・金融庁
・交通事故相談所
・紛争処理センター
・弁護士
・マスコミ
など保険会社の弱いところを巧みにつきます。

さらに輩は、
・身障者差別
・同和差別
・プライバシーの侵害
などの言い掛かりもつけてきます。

保険会社は不払い問題の影響で、契約者から不信を買い、各保険会社とも保険金や給付金の支払いに関しては、弱気になり、輩に対して、以前よりも公正で寛大な措置を講じざるを得なくなってきているようです。

現実問題として、
保険金詐欺を企む輩は、
・複数の保険会社に重複契約をしている
・過去にも保険金詐取をしておいしい思いをしている(「保険金詐取は一度味わったら止められない禁断の果実であり麻薬」)。失敗しても保険金請求を取り下げるだけですむことも多く、ゲーム感覚で繰り返し行う。

一方で、保険金詐欺であるということを立証する挙証責任は保険会社にあり、偶発した事故の反証材料をそろえるのはコストも労力もかかる、とても困難な作業。

結局、
・輩に払われたムダな保険金

・輩の保険金詐欺を立証するための(結果的には立証しきれなかった)調査コスト
は、
事故を起こさないその他大勢の善良な契約者の保険料のコストに転嫁されているわけです。

本書は、そんな生々しい現場と業界の問題点をリアルに再現した良書です。