シリーズの中では異色
★★★★☆
日本の黒歴史ミステリというシリーズのイメージを打ち破って、突然のシャーロックホームズ。
確かにおもしろかったのだが、やっぱり何となく違和感がある。これは、読者の勝手な欲望なのか…。
その後のシリーズが日本の歴史物に回帰したことを考えると、やっぱりあまり評判はよくなかったのかも。でも、十分に楽しめます。
はっきり言って、面白い。
★★★★☆
QEDシリーズは日本の歴史(裏歴史とでもいいましょうか・・・)を題材にしているのが多い中で、
この作品はシャーロックホームズの謎についての考査となってます。
子供の頃にポプラ社のシャーロックホームズしか読んだことの無かった私に、
もう一度、シャーロックホームズを読むきっかけを作ってくれた作品です。
なるほど、この本を読んでからシャーロックホームズを読むと、一段と面白く読めます。
日本史ミステリーに依らない魅力
★★★★★
その後10作以上続くシリーズですが、本作では売り物の歴史上の謎解きに依らない、
キャラクター自身、あるいはストーリーの設定や構成力だけでも魅せてくれます。
各章の名前が作品名から採られるなどテーマとされているシャーロックホームズシリーズに寄せる作者の愛情が伺えますが、
一方で作者自身も薬学部卒ということもあり、薬剤師である主人公がその専門的、学術的視点から語る謎解きの説得力、
あるいは理数系ならではと思わせる数式の解のような謎解きの鮮やかさから「Q.E.D」というシリーズ名の持つ意味を再確認できます。
が、しかし巻末の解説を読めば解る通り、作品に通じている精神はやはりその後のシリーズにも通じるものがありますね。
ホームズファンに特にお勧めします。
★★★★☆
シャーロックホームズファン(シャーロキアン)では無い私ですが、楽しんで読めました。この本を読む前にホームズを少し読んでいたので抵抗無く読めましたが、本格的なシャーロキアンが読むとかえって抵抗があるかもしれません。作者(或いはタタルさん)の証明するホームズの謎、読んで損はさせないと思います。
ウンチクがたまらないミステリ。
★★★☆☆
タタルと共に、シャーロキアン集会に参加した奈々だが、そこで会員が惨殺される!この会では、以前にも会員の女性が謎の墜死を遂げていたのだ!ホームズの謎と、殺人の謎の両方をタタルさんが鮮やかに解く!
奈々ちゃん&タタルさんシリーズ、第三作は日本文学の古典から離れ、ミステリの古典へ。タタルさんは超人的な、神の視点を持つ古典的名探偵なのだが、彼の講釈は面白いので都合良さも許せてしまう。シリーズの常ながら、今回も殺人の真相よりも、ホームズにおける議論の方が抜群に面白いのだった。この辺のバランスがもうちょっと取れているといいなあ。続刊も読んでみようっと。