きわめて実践的な本です
★★★★☆
岸本先生の著作には以前から注目していました。以前読んだ、Getting into the residencyという、アメリカの研修医選抜合格のためのノウハウ本があるのですが、これとコンセプトが似ています(ご本人はかなりこれを意識していたのでは?)。徹底的に実際的、実践的な本を目指していると感じました。予習の方法や時間の計算、などのところは実際にはかなりの先生方がすでにやっておられるのではないかと思いましたが、再確認できましたし、米国での訴訟実態やクレームに焦点を当てた各論は従来のこの分野の本にない切り口で、楽しく、新鮮に読めました。
外来診療コミュニケーションの本は何冊か日本語で出ていますが、いまひとつ実践的な部分で食い足りなかったのですが、この本はそのあたりをカバーしていると思います。特に研修医の先生方、あるいは研修医指導医の先生方に是非読んでもらいたいと思います。
ただ、欲を言えば、もっと徹底的に実践的な、トリセツ的な内容を極めてもらっても良かったかもしれません。