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ウォルマート―世界最強流通業の光と影

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日経BP社
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外に漏れるウォルマートの光と影 ★★★★☆
急速にアメリカを代表する企業に成長した、ウォルマートについての本。多くの人への徹底した取材に基づく。ウォルマートの当時の幹部役員にはインタビューを断られているが、内情も知られる。著者の文章構成力の賜物だろう。

内容は創業者サム・ウォルトンの出自、人柄に始まる。さらにウォルマートが田舎の企業から全米へと進出する過程。その周囲でKマートなど競合他社は時代に乗り遅れていく。そしてサムが生み出した、ウォルマート独自の社風。最後に、Everyday Low Priceという低価格戦略の功罪について。

600ページ強にわたる内容豊富な本だが、やや物足りなさを感じた。

まず、ウォルマートがここまで成功した理由が感じ取れなかった。サムはドーナツを持って店へ行き、従業員たちの話を聞いたという。これは象徴的に語られている。しかし、ウォルマートの流通システムやITシステムについては、その詳細は語られていない。ウォルマートが成長した軌跡は読み取られるが、その理由には読み取ることができない。

また、サムが死去した後の章は、主に「悪評」についてである。労働組合との闘争、途上国の搾取工場、店舗進出に関する地元との抗争。これらは後半に限らず出てくるものではあるが、ややサム以降の経営者に対し、フェアでない印象を受けた。(原題はウォルマートがアメリカをdevour(食い荒らす)しているとなっているから、そもそもそういう趣向の本だとも言えるだろうか)

さらに、ウォルマートがなぜアメリカ(とカナダ、メキシコ等)以外では成功しないのかについては、知る術もない。これは無いものねだりであろうが。

ともあれ、本書はウォルマートの成長についての読みやすい良書である。ウォルマートという独特の企業について興味を持つ人々の必読書だ。
膨大な取材に驚く一冊 ★★★★★
 ひたすら膨大な取材にただただ驚きます。日本国内でのウォルマートについての論評ではウォルマートの凄さを表層で捉える見方結構主流ですが、そのような見方が一面的であることを得心できます。例えば、ウォルマートの凄さは30兆の売上げという規模にある、などという訳知り顔の講釈は、その歴史を知ると、見当違いであることがよくわかるでしょう。
 それにしても、企業について書かれた日本の出版物のレベルの低さに辟易している者としては(大抵が礼賛型・あるいは一面的な内部告発型)、このような綿密な取材の下で、キチンと光と影の両面をみているジャーナリズムを生み出す米国の底力に敬服します。
光と影を感じとる体験 ★★★★☆
邦訳の副題に「光と影」とあるが、それは安直に添えられたものではなく、重みのある適切な視角だと考えることができた。

時を経るにしたがって、サムは「安く売る」というその一点に向かって、考え方に磨きをかけ、不必要なものを削り落としてゆく。その行為の両方がウォルマートの光ともなり影ともなってゆく。人が何かを作り上げ遺してゆくこと、成長することは光と影の両方が色濃くなること。それらを丹念に綴られた出来事によって思い馳せることができた。

抽出された教訓やノウハウを見聞きするのではなく、ドキュメンタリーの中から自分で感じ取り、刻みつける体験をすることができた。

小売業のあらゆる側面が明らかに... ★★★★☆
いかにしてウォルマートが世界最強の小売業者になったのか、その全貌を歴史を紐解くことで明らかにしてくれる。本書はただ単にウォルマートを褒め称えているわけではなく、これまでに浮上した、低価格実現のための若年者労働問題についてもページが多く割かれている。

小売流通業に携わる経営者の方々が読めばその戦略等からヒントを得られることは間違いないであろう。まさにこれはウォルマート、そして小売業者の”光”と”影”を描いた本であり、その両方の側面から学ぶことは非常に多い。何か一企業についてのストーリーを読みたい時は本書を推薦する。