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Sharpe's Sword

価格: ¥1,232
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: HarperCollins Audio
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伝説のスパイマスター、エル・ミラドールって誰? ★★★★★
 札付きの無頼派将校リチャード・シャープの活躍を描くシャープ・シリーズ、今回の舞台は1812年のサラマンカ・キャンペーンです。
 さて、長い劣勢を撥ね返したウェリントンの半島遠征軍、いよいよスペイン国内で本格的な逆襲に乗り出しました。数年前には逃げるように立ち去ったスペインの古都サラマンカですが、今回はマルモン元帥の仏軍を追い出して堂々の入城です。我らがシャープ君もその中で随分威勢が良いようですが、またしてもトラブル発生、今回はナポレオン直属の豪腕将校ラルー大佐に因縁をつけてしまいます。
 このラルー大佐、今で言えばカウンター・インテリジェンスの専門家です。相当に冷酷で悪い奴です。何でもこの男、英国が誇る伝説のスパイマスター、エル・ミラドールを付け狙っているとやら。エル・ミラドールに万一のことでもあれば、英国は情報途絶に陥り、戦争はもう負けたも同然なのだそうです。しかし、エル・ミラドールっていったい誰なのでしょう。シャープ君はラルーの魔の手を防げるのでしょうか。そして、しきりとシャープを魅了する侯爵夫人ヘレナは、いったい何を考えているのでしょうか。
 ミリタリー・マニアにとっての見所は、やはり近代騎兵の運用でしょうか。歩兵にとっての騎兵突撃の恐ろしさや、逆に騎兵にとっての方陣の手強さが活き活きと伝わってきます。
 シャープ君の負傷、ヘレナとの出会いと別れ、そしてハーパー軍曹の変わらぬ友情、何れもドラマティックで大変良い出来です。ここ数作、正直言ってちょっとタルイ感じがしてましたが、久しぶりに面白いと思いました。特にヘレナとの別れのシーンは、余韻もあってとても良かったと思います。