upper stiff lip
★★★★☆
以下は2006年6月の英訳版へのレヴューWinifred Wagner: A Life at the Heart of Hitler's Bayreuthのコピーです。
wagnerとcosimaの息子siegfriedの奥さんがイギリス生まれの女性であることはずっと知っていましたが、ここまで個性の強い女性であったことは知りませんでした。ここに描かれた女性は典型的なイギリス女性です。彼女は決して後悔したり反省することはありません。自分が正しいと信じたことは、それが偏見と見られようが、最後まで、それを貫きした女性です。ただ生まれた時代と放り込まれた場所が悪かったとしか言いようがありません。それは第一次大戦中から戦後の混乱のドイツです。皮肉なことに、ナチとヒトラーの援助によってのみ、このバイロイトでのワグナーの上演という伝統を次の世代に引き継ぐことができたというわけです。albert speerと同じようにヒトラーという人格に魅惑されながら、最後の最後まで、その魅惑から抜け出すことができなかったユニークなパーソナリティの秘密に迫ってみてください。そして謎として残るのは、このドイツという文化的な共同体の持つ不可思議な魅力です。