オーバー・ダブなしに録音された彼女のデビュー・アルバム
★★★★☆
2003年4月23日テラーク・レコードからリリース。Sonoma DSDレコーディング・システムを使用しオーバー・ダブなしに録音された彼女のデビュー・アルバム。アーマッド・ジャマルと、その友人バークリー音楽院の指導者でジャズ・ベーシストのリチャード・エヴァンスによる共同製作作品である。
まずまったくの基礎知識なしてこのアルバムを聴くと、非常にプログレッシブ・ロック的だなと思う人が多いのではないだろうか。特に最初の2曲『XYZ』・『Double Personality』の曲構成とピアノのフレージングはキース・エマーソンのピアノを連奏させる。作曲手法はかなり斬新で、バークリー音楽大学ジャズ作曲科とCWP (Contemporary Writing & Production) 科を首席で卒業というのも頷ける。
このアルバムのインナーを読んでみると、彼女はオスカー・ピーターソンを最も敬愛し、Noriko Hikidaさんというピアノ教師について開眼し、14歳でチェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共演、高校時代はロックに傾倒、ヤマハの音楽支援制度で留学奨学支援を得たのを機に、法政大学法学部を中退、20歳で渡米してバークリー音楽大学に留学・・・、そういったジャズ・クラシック・ロックをレイヤーのように持っているようだ。このアルバムを聴いているとなるほど、と思う。
デビュー・アルバムとしては色々な予感もあって及第点なのだが、残念ながらギターがへたくそでかなり気になる。このギター無しなら星一つ増えただろう。
努力、根性,気合
★★★★☆
その3つが信念の彼女。それはファーストアルバムであるこの作品が物語っている。とかく1stアルバムでは気合が入るのは尚更である、が彼女はその上に才能を乗せていることは全編を通して聞く事により明白である。某TV番組での紹介がもたらした影響は凄まじきモノがあるが、まさにJust in timeの賜物と思う。1曲1曲に彼女の「信念」が込められていて聴く姿勢を正さずにはいられなく、上原ひろみの気迫が迫ってくるとともにレーコーディング当時の彼女の年齢を思えば自身の全てをぶつけた思いのタケの結果だと感じる。賛否両論である。
NG
★☆☆☆☆
jazzを期待して聴くとかなり衝撃的にがっかりします。かなり安っぽいでき。どっかの居酒屋ライブハウスの500円ライブと同じレベル。かって損しました。
とにかく速いけど
★★★☆☆
3rdの『Spiral』がけっこう気に入ったので買ってみたのですが。1回目、騒々しい。2回目、やたらピアノを弾くのが速い。3回目、速いだけに過剰なほどの音があるわりに、印象に残る楽曲もフレーズも少ない。というのが正直な印象です。作曲を専攻したという割にテクニック以外に売りを見いだせません。ジャズの範疇に収まっていないのは、好みの分かれるところでしょうが、少なくとも万人向けとは思えません。発展途上のアーティストのアルバムです。
創造と破壊・・・
★★★☆☆
まず聴いて違和感が生じる。二面性に気づく。創造と破壊。
破壊の面でいえば、満足点。
創造の面でいえば、最低クラス。
ただクリエイティブなことってのは壊して直して壊して創っての繰り返しなんだから
それでいいじゃないかって言う人がいるなら、それでいいんだと思うけどね。ようは
見方か・・・。
最近の彼女は好きなんだが、なぜかこの作品に限っていえば、Jazzらしい温もりってやつ
が感じられないんだよなー。