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葡萄と郷愁 (光文社文庫)

価格: ¥480
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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さくっと読めます。 ★★★★☆
同年同日、人生の岐路に立たされる、純子とアーギ。東京とブダペストで同時進行する、決断の一日。 あなたが純子なら、アーギなら、どんな決断をするだろう。
幸福とは何か ★★★★☆
「幸福とは何か」という宮本輝さんのテーマが日本とハンガリーの二人の大学生の話を通し描かれた作品です。人生における大きな岐路にて選択を迫られた二人の主人公が悩みながら答えを出すまでの過程が過去や周りの人物を交え生々しく綴られています。

人はみな大切な思い出を持つものですが、思い出とともに成長できるか、執着してしまうか、未来に新しいもっと多くの思い出を見出すことができるか、を問う興味深い作品でもありました。一時の感傷に流されない二人の女性主人公の強さも魅力的でした。

時間の流れ ★★★★★
東京とブダペスト、2つの場所を舞台にして2人の女性が大きな決断をするさまが描かれています。
周りの人達との係わり合いの中で、決断に至るまでのゆっくりとした、でも確実な時間の流れが感じられます。
色々な悩みや葛藤が描かれていますが、美しい小説です。
関連性のないような、あるような ★★★★☆
二人の女性の人生が交互に描かれている物語で、この二人の人生の交わりが一体いつなのかと考えながら読んでいきました。
人はいろいろな人と関わり、支えあい、時にぶつかり合って生きていきます。直接に二人が関わらなくとも、その関わりが(自ら知り得ないところで)できているのだと思います。

女性の生き方、とともに、人がどうやって人とともに生きるかということを考えさせられました。

若い女性の人生の決断 ★★★★★
大学時代、授業中に教授から「若いあなた方にぜひ読んでもらいたい本」と薦められて手にした一冊。
教授が薦めるとおり、主人公は現代の東京と・ブダペストに住む若い女性。全く関わりのないこの二人の物語が、一章ごと交互にえがかれていきます。
二つの物語の共通点は、たった一日のうちに人生の大きな決断を迫られている若い女性という点。

一方は恋人を捨て、愛してはいないが将来を約束された外交官との結婚に踏み切るべきかを、一方は自由の無い母国ハンガリーを捨て(物語はベルリンの壁崩壊以前)アメリカ人の養女となって、移住するか・・・・

岐路に立つ二人の女性は、タイムリミットまでに、どんな選択をするのか。自分だったら一体どうするか?この二人と年が近かったため、ドキドキしながら読みました。
物語を読み終わって、解説の章を見たら、本を薦めた教授が書いていて、そういう事かと笑ったのを覚えています。