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星宿海への道 (幻冬舎文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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これが文学か! ★★★★★
文章が美しい。表現が美しい。
小説を面白いかつまらないかだけで判断して30数年。
よくもまぁこんな表現ができるものだと関心しながら読んだ初めての小説かもしれない。
こういうのを「文学」というんだぁと思いました。

話自体は一気読みするタイプの躍動感やスピード感のある物語ではありません。
ですます調だし,ゆっくりと話は進みます。
裏表紙のあらすじでは全く興味を抱きませんが,実際に読むと,なんでこんな下手なあらすじにしたんだろう?
という印象を受けました。

ストーリーも楽しめますが,筆者の優しい文章表現を熟読しながら読むことをお勧めしたい本だと思います。
宮本輝さんアジア版 ★★★★★
ヨーロッパものも多い宮本さんの本ですが、これは中国と日本を舞台にしていてちょっといつもと違う感じ。

終わりに向って物語が進んでいくのではなく、登場人物の様々な心の移り変わりを追っていく読み方が良い気がします。

星宿海を軸に、様々な人間の心の移り変わりを繊細に描いています。人を想うこと、1つのことを想い続けること。そこに不思議な魅力を感じます。

静かにかみ締めるように読みたい本。
母への思慕 ★★★☆☆
宮本輝の作品を手に取るのはもう15年ぶりぐらいか。
彼がデビューして数年は、新作が出るのが待ち遠しいくらいであったが、
ある時期から、書きたいことを書いているのではなく、
書くことを無理やり頭の中でひねり出してるなあと感じて、
急激に魅力を感じなくなった。
さて、本書であるが、友人の強い勧めで読んでみたものの、
正直期待はずれであった。
終章のエピソードがなくても、母への思慕は十分に感じられるが、
特に感動することもなく、正直消化不良である。
「異族」というより、「異民」のほうがすっきりする。

宮本輝信者にしてみれば、
彼の作品を読んで感動しないなんて信じられないのだろうが、
そういう人間もいるということです。
宮本輝のカタルシス ★★★★☆
やっぱり宮本輝さんだなぁと
思いながら安心して読めました。

悪く言えば、蛍川や流転の海などと何も変わっていない。
でもちゃんと大切なところに触れていてくれて
読み応えもあるし、ズシンと響いてくる物語だと思います。

異母兄を理解しているつもりであった主人公が
実は何もわかっていなかった。
瓢箪の星宿海にこめられた想いの深さが
ようやくなんとなくわかったときに得られた
カタルシスは、宮本さんでしか味わえない。
誰もが抱える過去の傷も夢への憧れも
過不足なく描かれている良作です。





薦められて読みました ★★★☆☆
人生も仕事も大先輩の方から是非読むようにと半ば強引に渡されて本書を読む機会を与えられた。
現実逃避を主な理由にかなりの量の活字を追っている私には、一番苦手な「戦後」の話。
本筋は平成になって消息を絶った血の繋がらない兄の人生を弟が辿るという話だが、兄「雅人」が抱えている戦後間もない母との人生がメインに語られている。
この「戦後」というのが私はどうにも苦手で、今までもずっと避けて来た。全てが密着した埃にまみれたあの時代がどうしても受け入れられなかった。
今回も嫌々ながら読み出し、唸りながら頁をめくる日々。
しかし、読み進めるうちにだんだんと引き込まれ、読後感はそう悪くなかったように思う。
感動したのは、使い古された言葉ではあるが「家族愛」。
子供のためにどんな辛いことにも耐える母親。血は繋がっていないのに兄を思う両親や弟の愛情など、底の方からじわじわと湧き上がるのが解る。
使い古されたものにこそ、色んなことを教えられるのだと人間関係が希薄な私に訴えているようだ。
やっぱり、こういう小説も読まんといかんなあ・・・と反省させられた。
はい、これからは読みます。