この巻は正直微妙かな
★★★☆☆
武蔵が人として完成しつつある気がして、なんだかつまらない。
武蔵から完全に毒気や覇気のようなものが抜けてしまった。
また、この巻では、柳生石舟斎と宝蔵院胤栄が死去してしまうのだが、石舟斎に対して胤栄の亡くなるまでの扱いが軽すぎる。
武蔵は石舟斎のことばかり思い出しているが、具体的に彼を育てたのは胤栄ではなかったか?
今回の目玉である伊藤一刀斎の扱いもイマイチ。ただの性格悪い馬鹿にしか見えない。
散々引っ張っておいて、こんなもん!?と思うぐらい、三剣豪の扱いが適当。
武蔵の引き立て役に成り下がってしまったような気がする。
最後、小次郎に会いに行くことを決意する武蔵で終わるのだが、そこに辿り着くまでの展開も強引だなぁ…。
作品全体は素晴らしいので、大好きであることに変わりないが、この巻に関しては無条件で高評価はつけられない。
もうすぐ発売になる33巻が楽しみだ。
位相・論理・空間
★★★★☆
「円陣の内側」をテリトライズして
テリトリー侵犯者は容赦無く斬る!
・・右足を負傷した「邀撃的なる武蔵」。
しかし、一刀斎は、武蔵の円陣を更に
大きく囲い込む「同心円状の円陣」を描いて
その「内部」を一刀斎自身の「刃圏・・テリトリー」
とする。位相幾何学的なロジックに
追い詰められた武蔵だが、何の事は無い。
「柳生の爺さん」の様に「ひょこひょこ」と
出て行ってしまえば良いのだ。
そんなの「地面に描かれた線」に過ぎない。
「言葉」も同様。そして、「ロジック」も、だ。
絵は唯一無二
★★★☆☆
絵は唯一無二だと思います。うまいじゃなくて、その魅力。好みもありますが。うまさだけなら他に沢山いる。が、魅力はピカイチ。
ただ最近のバガボンドを観てて思うこと。 ちょっと説教じみてないか?
名言を記そう記そうとしているように感じる。
イイことを言ってはいるが、登場人物の中に哲学者が存在し過ぎな気がする。
もっと人間の未熟な部分を観たい。
だからこそ言葉のいらない世界を描いていた「最後のマンガ展」は素晴らしかった。
武蔵よ、語ってばっかりでは無の世界に生きる小次郎にいつまでたっても追いつかないよ。
僕も無刀派です
★★★☆☆
一刀斎の言う「無刀のなにが楽しいのかね」って点、一刀斎が小次郎を比喩するに「人食い虎」と名付けてますが、エコの頂点に君臨する虎こそ己の牙と爪で生きていってる「無刀派」の最たるモノでは?と思ってしまった
嗚呼…
★★★★★
伊藤一刀斉との接触、再び武蔵の中にあらわれる石舟斉。そして自分と向き合い続けた武蔵は…。ああ着々と終わりに向かっているのが、ほんとに寂しい。