公害は古くから存在していた。
しかし、被害者は社会的に弱い立場であることが多い。
学者や経済人、役人の目先の利益に翻弄され、苦痛の叫びは無視され続けてきた。また、権力争いにも巻き込まれやすかった。
地元を左右する力を持つ企業の場合、経済効果を優先させるため、行政が問題解決を妨げてきた。
そのようなことが倫理的に許されるのか？
物理学的でも経済学的でもない視点から描かれている本書。
国から見捨てられる地の苦しみを感じることが出来ます。

イギリスと日本で起こった公害問題を中心に今日関心の高い環境問題を、環境社会学者のパイオニアである飯島伸子氏が自論を交え分かりやすく解説している。環境社会学初心者にとってはよき教科書となるのではないか。ただ掲載事例が古いため環境問題の歴史を学ぶつもりで読むとよいだろう。