チャイコンは冒頭より後半の方が炸裂してます
★★★★★
このピアニストの「デビュー!」というファーストアルバムが大変気に入ったので購入しました(特に本人編曲のトルコ行進曲が一番のお気に入りです)。さて、チャイコンについて、冒頭から飛ばしているアルゲリッチ/アバドやリヒテル/カラヤンの演奏と較べると、最初はこぢんまりとした印象を受けます。小澤風の淡々とした始まり方、と言った方がいいのかもしれません。しかし、第3楽章へ進むのにつれて、ピアニストの抜群の運動センスというか、コサックダンス的超絶技巧が炸裂していました。ライブということもあって、指揮もだんだん熱くなっている様子も感じられます。これまでこの曲に対して持っていた「泥臭い」「頭でっかち」という印象が全く変わってしまいました。個人的にリストのピアノ協奏曲も、ぜひこのキャストで聴いてみたいと思いました。
最高の演奏
★★★★★
「演奏ヴォロドス、指揮小澤征爾だと…」とCDショップで見かけて即購入。
やはり演奏は完璧で、まったく過去の偉人達と引けを取らない。
チャイコフスキーも非常に緻密な演奏で、迫力満点である。
また、ラフマニノフも流石ヴォロドス、技術は当然、やはり昔は声楽を学んでいたためか
まるでピアノが歌っているかのように綺麗で聞きやすい。
ヴォロドス編曲のイタリアンポルカも非常にセンスを感じる。
これでこの値段、正直ありえない。どこを批判すればいいのだろうか。買いである。
ヴォロドスを知らない方も少々いるとは思うので、少しだけ説明を。
8歳からピアノをやり始めたという非常に遅いスタートながら、その技術、表現は
目を見張るものがある。その抜群の安定感と技術は、21世紀最高のピアニストの一人
になりえるのでは?と今から考えてしまう。
まるでホロヴィッツのようなその音色、シフラを彷彿とさせるその技術。
興味をそそられたならば、ぜひ聞いてみていただきたい。ちなみにヴォロドスのデビュー!
というCDもおすすめである。