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古道具 中野商店 (新潮文庫)

価格: ¥578
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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私のことですか ★★★★★
すごく好きな年下の男の子がいたときに、たまたま読んだ本。
「わたし」と一緒に、笑ったり、子どもみたいに大泣きしたり。
ここまで感情移入した物語はありませんでした。
偶然同じ時期に同僚もこの本を読んでいて
「これ、キミじゃない?(笑)」と・・・
それぐらいシンクロ率がハンパなかったです。
思い出となってしまった今でも、大切な一冊。
どこかにいる人たち ★★★★★
デビュー作から、寓話的な作品が多かった川上さん。たとえば隣にクマが越して来たり、そのクマとピクニックに行ったり(「神様」より)。
そんな作品たちに惹かれ、毎回新作を買っていたけれど、なんとなく買わないでいたこの「古道具 中野商店」。
自分の好みも変わって来たのか、読んでみたらすっかり入り込んでしまた。
20代後半のヒトミが主人公。中野商店で働いている。店主の中野さんは「てきとう」な性格のように思われる。ふらりと「銀行」へ行って数時間帰って来なかったり。そしてその姉のマサヨさん(中野さんによればゲイジュツカ)。ヒトミと同じく中野商店で働くタケオ。この4人が主な登場人物。
その4人は、どこかにいるよねこういう人、と思わせるような人たち。だけどそれをゆるーく、おもしろく描いている。
書かれていることのスケールこそ小さいけれど、こういう小説を読みたいと思う。読んでゆるーくなれる。でもなんだか、止まらない。
最後の章も、わたしはいいと思う。先を読者にゆだねるといったものもあるけれど、私は難しいのが苦手だし、はっきり書いて欲しいときもある。
読み終えて、すっきりと前向きな気分になれた。
昔を思い出すような・・・ ★★★☆☆
コドモだったのよね、としみじみ振り返ってしまう時間があります。
恥ずかしくて、思い出したくないようなことも。
まだ未熟だったから、とは、あとから言えること。

ちょっとしたボタンのかけちがいが、誰かをひどく傷つけてしまったり。
それがわかっていても、謝ることができなかったり。
他人に過大な期待をかけて、甘えたり。
甘えられても、それに気づかず、受け止めることもできずにストレートに投げ返してしまったり。

子供って純粋で、だから残酷なんだなと、思い返してみるのです。
何度も読み返したくなる ★★★★★
久しぶりに読み終わって、また、最初から読みたくなる本に会えた。
暇なときやバスに乗っている時、勝手にドラマ化された時のキャスティングを考えたり…
(結局考えつかなかったけれど)

中野商店の面々が「ぞろぞろと」休憩に行くシーンが好きだ。
悩みごとを相談したり、みんなで遊びに行ったりするわけではない。
突然の解散もあったりするわけで。
でも、あの人のこと嫌いじゃない、という間柄がとても良いなあと。
ありそうでないやさしい物語 ★★★★★
話の内容は良くある話なんだけど、冷静に考えると、そうそういない登場人物。
川上弘美が描く登場人物は、キャラがしっかりしていてまるで実在する人間のようにぶれない。なので、読者はよくある話と錯覚し、物語にするすると引きずり込まれるのだと思う。
その中で、ある意味一番いそうなのが、主人公のヒトミ。ヒトミだけ、気持ちがぐらぐら。行動もちぐはぐだが、それゆえについ感情移入してしまう。

物語の終盤で、その登場人物にさまざまな転機が一気に訪れる。

川上弘美にしては、まとまりすぎな感もあるが、その終わりの美しさがとても心地良い。

いろんな人の思いが、救われる感じで、良かった。
途中、誰でも感じたことがあるような切なさで、本当に胸が痛くなった。
小説でこんなにもハッピーエンドを望んだことって無いかもしれない。

こういう場所があればいいなぁ、と誰しも思うに違いない。