Bari
価格: ¥1,643
オホス・デ・ブルッホはフラメンコ音楽を略奪した最近のグループなだけだと主張する人もいるだろうが、そうした人は肝心な点を聞き逃している。このバルセロナのバンドはフラメンコの伝統と共に成長し、一方でヒップホップ、ファンク、ジプシー、中東の音楽も詰め込んで確実に消化してきた。そうやって、ラップとターンテーブルとファンクのグルーヴをまとめたものが、この突然注目を浴びるようになったグループに取っては、ごく筋道の通った音楽なのだ。マリーナ・“ラ・カニラス”・アバッドは音楽学校で学んだシンガーのような幅はもたないかもしれないが、活気があり、社会を意識した歌詞とスタッカートの連発でそこを補っている。息つく暇もないラップがフラメンコのカチカチ鳴るリズムと驚くほどうまくマッチして響き、疾走していく。このグループがどんなものでも、ためらわずにミックスすることは確かだ。「Naita」は伝統的な歌として始まるが、最後にはテクノのフィナーレを迎える。さらに「Memorias Perdias」では優美なフュージョンが聞ける。フラメンコ、ジプシー、スイング・ジャズの要素も取り込んだ曲だ。この春のリリースで最もホットな作品のひとつ、『Bari』はパンクな精神に満ちており、年末のリスト選曲では多くの人に支持されるだろう。(Tad Hendrickson, Amazon.com)